546:LX[saga sage]
2012/02/26(日) 21:04:47.84 ID:10sfWO230
「どうしたんだよ、突然……大丈夫か? 具合はいいのか?」
(……!! この鈍感! でもまぁ、今はその方がいいか……)
心配そうに言う当麻に、トイレから戻ってきた美琴は心の中で苦笑する。
「もう落ち着いたから。心配しないでいいの」
「そっか。いやびっくりしたよ。あの話のあとだから、もっとすごい地震が来るのかと思ったよ」
「だ・か・ら、私はナマズじゃないって言ってんでしょうが……ダメだ、はぁ……なんか気分が乗らない……」
普段なら思いっきり突っ込んでくるはずが、どうしたことか、くたっと床に座り込んでしまう美琴を見て、当麻は不安になった。
「おい……やっぱり具合悪いんじゃないか? 大丈夫か? 少し休めよ? その方が良いぞ?」
当麻は彼女の肩を支えて立たせると、少し歩いてソファに座らせ、そして身体を倒させて横にする。
「ほら、少しは楽だろ? 俺に遠慮すんなよ、な?」
そう言って当麻は彼女を安心させるかのように微笑む。
その顔と、優しい言葉に美琴はまたほろりと来そうになる。
「ありがと。大丈夫だから。でもちょっとね、わたし不安定だったかも。……さっきは取り乱しちゃったしね、ごめん。
わたし、なんか恥ずかしい……やっぱり子供なのかな」
そういうと、耐えきれなくなったのか、顔を背けると、くっくっと嗚咽の声が漏れる。
(まぁ、ちょっと今日は感情の起伏が激しいみたいだな。頭に血が上ってバーっと怒ったと思えば、今度は泣いちゃうし。やっぱり具合が悪いんだろうな)
当麻はそう判断し、静かに美琴に語りかける。
「はは、それを言うならオレも同じだったさ。まぁ、昨日は朝早くから大騒ぎだったし、お前の家に行けばどんちゃん騒ぎだったしさ。
酒も結構飲んだんだろ? オレがぶっ倒れた後もさ。それだよ、一番の原因は。
……それに今日は、その、オレが『もういいの。もう、言わないでいいから』……そうか?」
美琴は強引に当麻の話を止めさせ、当麻は黙る。
部屋には静かな時が流れてゆく。
日差しも傾きかけている、学園都市の夕方。
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