548:LX[saga sage]
2012/02/26(日) 21:13:07.09 ID:10sfWO230
青かった彼女の顔に、更に血の気が増す。
「はは。実はちゃーんと聞こえてた。でも、ホントなのかなって思ってさ」
(正直、ちょっと期待しちゃいました、って言ったらまた激昂するかもしれないし)
あくまで、当麻さんは紳士なのですよ、ということにして当麻は答えを返す。
「いじわる」 向こうを向いたまま、ぽつりと美琴が言う。
「いや、だって、いきなり言われたらさ」
「いやらしいんだから……でも、ごめんね、当麻」 彼女はこちらを振り向き、一瞬だけ視線を合わせたが、直ぐに外してしまった。
「ん?」
あれ、なんで謝られるのかな、もしかして、紳士の当麻さんは答え間違った? と彼は一瞬どぎまぎする。
だが、彼女の次の言葉はもっと直接的だった。
「アレになっちゃったから、今日、ダメなの」
「はい? え?……あ、あのさ、その、あれってもしかして、さっきの、あれ?」
アレって、あれのこと? だよな、女の子なら月に一度あるっている、アレだよな?
思わずとっちらかった答えにならない答えが口をついて出た。そして、その直後に浮かんだ一言は、
(ああ、美琴も女の子だったんだな)
もっとも、これを口に出したら最後、即、彼女の超電磁砲三連射をくらい夕暮れの空に儚く消える事確定であるが。
「だから、さっきからそう言ってるじゃないの、恥ずかしいこと何度も言わせないでよ、この鈍感! バカ!」
(あんた、あたしのこと、なんだと思ってたのよ? まさか本当に下痢だと思ってた? このうすらトンカチ!! バカ! 鈍感!)
美琴は美琴で、勇気を再び振り絞って言ったはずの言葉を、なんだか軽くあしらわれた気分で思わず当麻を睨み付ける。
「いや、だってオレ、男だし……すまん。その辺はよくわからないからさ。
えっと……ま、まぁそれは、まぁ仕方ないな。その、なんというか、当麻さんは紳士ですけれど、正常な男性ですから、少しは、な」
素直に男としての欲望に沿って言って良いのか、はたまたここは「紳士らしく」またの機会に、と言うべきなのか彼は解らず、彼としては恐る恐る少し本音を出して様子を見る事しかできなかった。
「そう、なんだ……当麻? そ、その……ね、あ、あんたさ……」
さっきの威勢の良さはどこへやら、再び彼女は言葉に詰まる。
「なんだよ? はっきりしろよなー、さっきからお前らしくないし」
?と言う顔で当麻が訊く。
「……したかったの? その、わ、わたしと、さ……?」
そこまで言うと美琴はまた向こうを向いてしまう。
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