過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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589:LX[saga sage]
2012/03/11(日) 23:10:05.62 ID:W49tB26r0

「そうか、それは悲しいよな。どうして良いかわからなくなっちまうな……でもな、ちょっとオレからも言いたいことあるんだけど、聞いてくれるかな?」

よいしょ、と当麻は右腕を彼女の肩にまわし、左腕で腰を抱く形にして、右手は後からぽんぽんとゆっくり優しく右肩をたたく。

何かあったら直ぐに右手で頭を押さえこめる形でもあるが。

「いいかな?」

「はい」 御坂妹がうなずく。

「まず、美琴との結婚だけど、あいつに引きずられる形じゃなかったよ? それははっきりと言えるからな。

なんかさ、お前に申し訳ない事を言うことになっちゃうけど、おれは、あいつ、御坂美琴って女の子と結婚したいんだよ。俺自身の意思でね。

まず、そこ、わかって欲しいんだけど、どうだろう?」

御坂妹の嗚咽は収まり始めたようだが、当麻はまだ、彼女の肩を優しく叩き続ける。安心させるかのように。

「……はい」  長い沈黙の後、小さく彼女は答えた。

「それからな、お前に一番最初に言いにいった理由だけど、たぶん、あいつは、お前の俺に対する気持ちを知ってたんじゃないかな?」

「だから、一番最初に私をつぶそうとしたのです! そんな事、酷いです!!」

ふいに御坂妹が激昂する。 おっとっと、と当麻は彼女の頭に右手を当てる。

「こらこら、人の話が済んでないのに、怒っちゃいけないだろ? そういうのは上条さんは嫌いなんですが?」

右手の威力か、はたまた『当麻に嫌われる』事を怖れたか、直ぐに彼女は大人しくなった。

「俺が思うんだけどさ、仮に、だよ? 美琴がずっとお前にさ、俺らの結婚の事を言わなかったら、お前、どう思うよ?」

直ぐに彼女は当麻の顔を見上げ、泣き濡れた顔を見せる。

「もっと、怒ります」

当麻は微笑んで御坂妹にまた質問する。

「だろ? お前、一番最初に、美琴から言われるのと、誰か他の人……そうだな、ほら、こないだの10039号とかさ、彼女から聞かされるのと、

それから、ずーっと誰からも聞かされずに、ある日突然俺らが結婚したってのを聞くのと、どれが一番良いかな?」

黙って聞いていた、彼女は少し笑って答えた。

「決まっています、わたしと結婚する、という話が出れば良いのです」

「こら、前提条件を変えちゃ、質問の答えにならないでしょーが?」

そう言いながら、当麻は、彼女の顔に浮かんだ笑みを見て、ああ、これで大丈夫かな、機嫌直したかなと思う。

――― たぶん、間違ってないはずだ ―――

あいつの言葉が足らなかったか、何かで、御坂妹が誤解したのだろうな、と彼は思う。

確かに御坂妹がそう考えてもおかしくないほど、微妙な内容だ。

もう少し言い方考えればいいのに、と自分の鈍感力を棚に上げて当麻は思う。



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