682:LX[saga sage]
2012/04/29(日) 20:36:56.27 ID:W/PWo5k00
「当麻か? 父さんだ。連絡がないのでちょっと電話してみた。
その、なんだ、御坂さんを連れてくる、と言う話なんだが、どうなってるんだ?
母さんがやきもきしててだな、『ちょっと当麻? 私だけど、どうなってるの? こっちも準備というものがあるんだからはっきりして?
いつ来るの? 今日これから、っていうのはダメですからね? 早く連絡頂戴ね じゃ』あ、かあさ」
音声通話の伝言は以上です、といって留守電は切れた。
上条当麻は空虚な日を送っていた。
やる気が出ない。
美琴は来るはずもない。
御坂妹が来ることはもっとない。
いや、一度妹達<シスターズ>の一人、検体番号10039号が寮まで来たことがあったが、彼は居留守を使った。
彼女には申し訳ないことであったが、彼は今、「彼女の顔」を見たくなかった。
今度は携帯が震えた。
メールの着信である。
画面を見ると、それは、御坂美鈴からであった。
件名:ケンカしたのかな?
本文:最近、美琴ちゃんの様子がおかしいんだけど、もしかしてケンカでもした?
喧嘩するほど仲が良いっていうから気にしてないけど。
そうそう、先日お母様にまたお会いしました。
その節はウチの娘をヨロシクね♪
当麻は頭を抱えてしまう。
だめだ。
行って、お詫びしなければならない。
あの時と、なんと世界は変わってしまったのだろうか……。
あの時は、学園都市を出る時は、映画のようなドタバタだったけれど隣には美琴がいた。後輩もいた。
頼りになる妹達<シスターズ>もいた。
だが、今は。
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