732:LX[saga sage]
2012/05/27(日) 19:24:46.40 ID:IGkAb8mz0
次の日、美琴は第十五学区にいた。
引き続き、情報収集のためである。
(う〜、なんか身体の調子ヘン。ビールなんか飲まなきゃ良かったな……ふう)
昨日、家に帰ると美琴は疲れを感じた。
それは、当麻が自分に嘘を付いていたことに対するショックから来るものであった。
立て続けに起きた、彼に関する秘密の新たな暴露は、美琴の心に更なる刃を突き立てていた。
(なんか、疲れちゃったな……)
目が冴えて眠れなかった彼女は、コンビニに出かけ、初めて缶ビールを数本買い込んで部屋に戻った。
生まれて初めて缶ビールを自ら買った美琴は、恐る恐る口を付け、その苦さに閉口し、失敗したなーと反省しながらも350mlを1本開けた。
何の気なしにPCの写真データを流していた手が止まる。
それは、当麻二十歳の成人式の時の写真。当然ながら隣には、緊張した顔の自分が写っている。
(アハハ、この時、私も良い根性してたわよねー)
大学の面々やら高校の時?の男友達など、彼の廻りにいた人をかき分けて、私、突撃したっけ。
(なんやー、みこっちゃんやないか〜? 今日どうしたん? ああ、上やんとまだ続いてるん?)
なんか青い髪の大柄な男性に見つけられて、根ほり葉ほり聞かれた記憶がある。
そうそう、途中から彼は何故か怒り出し、アイツ殴ったる!と息巻き始めたから、軽く電撃をお見舞いして黙らせたはずよね……と彼女はクスっと思い出し笑いをする。
彼が伸びた瞬間、マズイ、と思ったんだけれど、誰も注意を払わないのには驚いちゃったよねー。
この写真、撮った後にアイツを引っ張り出そうとしたら、私、女性陣にものすごい目で睨まれたんだよね、確か。
んー、確か……なんて言ったっけ……長い髪の……名前が出てこないや……まあいいか。女だし……なんか眠い……
そのまま、彼女はテーブルに突っ伏して寝込んでしまった。
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午後は講義がない美琴は、今度は第十五学区の繁華街へと繰り出した。
今日は最初からSランクでのハッキングを行うつもりだったので、昨日とは違う、人が多いところを狙ったのである。
荷下ろし中のバンの脇で、美琴は検索を始めた。
昨日見つけた、当麻の海外出張のレポートがどこかにあるはずだから、それを見れば何をしに行ったか、誰と会っているかを確認できるはず、というのが彼女の目論見だった。
しかし、見つからない。探し出す前に時間が来た。
(あのバカ、レポートくらい書きなさいよね!)
あきらめた美琴はログオフし、パッドを閉じた。
その瞬間、彼女の前に人が立った。
「おやぁ珍しいところで会ったにゃー、御坂ちゃん?」
土御門元春だった。
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