779:LX[saga sage]
2012/06/11(月) 00:43:17.60 ID:FxMeYeFV0
「……」
美琴は口を引き結び、笠原のボヤキとも文句とも言えない話を聞いている。
「で、入って来た彼女たちも直ぐに出国してくれればまだ良いんだけど、出ていった妹達<シスターズ>がゼロ。ドンドン増えてるわけ。
貴女には本当に迷惑な話でしょうけれど、また昔の都市伝説が蘇ってるのよね。口コミとネットで。ネットは消せるけど、口コミがね……
貴女のことだから御存知よね?」
「聞いています」
「この調子で行くと、4桁に届くのは時間の問題ね。もう900人は入ってるし」
「それで、私へのお話というのは?」
「貴女のプライバシーに係わることなんだけれど、宜しいかしら?」
「覚悟してます」
「ごめんなさいね。わたしもこんな事言っちゃいけないとは思うのだけれど。
貴女が、上条当麻との婚約を破棄したこと、それで彼に思いを寄せる妹達<シスターズ>が空席になった彼の隣の席を巡って大挙押し寄せた、どうかしら?」
「……間違いない、でしょう」
「とんでもないハーレムの話だわよね。冗談でしょうと私も思ったけれど、本当にホントの話なのね。
恋する女、の話なんだけれど、行動力ありすぎよね」
「申し訳ありません」
「だから、貴女の責任じゃないわよ。彼女たちを生み出したここの問題よ。
産まれた彼女たちには責任はない。そして彼女たちの恋路を止めることもね」
「……」
「でも、このままだと、貴女のクローン問題が公になってしまう。
それは私たちにとって絶対に避けなければならないこと。これ以上事を大きくすることは出来ないの。
大至急対策を打たなければならないの」
「まさか、またあの子たちに手を出す、ってことではないですよね?」
美琴は蒼白になりながらも強い視線で彼女を見返す。
「そんなことをするわけがないでしょう? 彼女たちは軍用クローンとして養成されたのよ?
最終的には勝てるでしょうけれど、その為には時間と金と人間の命、学園都市の被害が多すぎるわよ」
そう言って最後に彼女が笑って言う。
「それに今やレベル5第二位の、学園都市の広告塔の貴女を敵に回すわけがないでしょう?」
美琴はホッとしたが、直ぐに一つのことに思い当たる。
「まさか……あの子を?」
「鋭いわね、さすがだわ。そう、もともとこういう時の為に彼女は作られたのだから、彼女に手伝ってもらわないといけないわ」
……最終個体<打ち止め>、検体番号20001号、ラストオーダー。御坂未来(みさか みく)
二万人に上る妹達<シスターズ>を統率する為に作られた特別なミサカ。
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