787:LX[saga sage]
2012/06/15(金) 22:06:24.02 ID:3KeMYVEQ0
(あの子を……使う、というの?)
美琴は愕然とする。
そんな美琴を見ながら、笠原女史は話を続ける。
「まぁ、そう大げさな内容じゃないし、ここ最近彼女を使っていないしね。久しぶりの指示としては無難だし、まぁ良いかなと思って。
おそらく彼女だって、事の起こりはね、そのネットワークで当然知っているでしょうから、協力はしてくれると思うのね。
いえ、協力してもらわないと困るの。そう……してくれないと、ね……。
当人たちは真剣でしょうけれど、違った意味で私たちに取っても、これは結構真剣な問題なのよ?」
(してくれないと、って……もし、協力しなかった場合は、このひと、どうするつもりなのだろう?)
美琴は、彼女の発言の裏に隠された本音を必死で考えようとする。
とにかく、このひとにしゃべらせなければならない。そう考えた美琴は、彼女に言葉をぶつける。
「まさか、私にその席に同席しろと仰るのですか?」
「そんな恥ずかしいマネはさせないわよ。これは単なる事前通告よ。貴女にも関係する話だしね」
即座に笠原女史は否定した。
その後に続いた『事前通告』、という言葉の意味を美琴は考える。
つまり、このひとは、いや、学園都市は勝手に事を進める、と言うことなのだ。
問題は、その内容がどういうものか、だ。
素直に妹達<シスターズ>が言うことを聞けば、話は簡単に済むかも知れない。
だが、そうならなかった時は……?
「あの子が納得するでしょうか……」
「してもらわないと困るわね。万一、そうなったら……そうね、そのときこそ貴女に頼もうかしら。
そうね、一番良いのは……事の起こりである貴女と彼の関係が戻るのが良いけれど、さすがに無理よねそれは」
「な、なんて事……そんな無茶な……無理です! お断りです! 当たり前です!」
思わず美琴は感情的に反発した。
私に、アイツに、あのバカに頭を下げろというの?
違う! アイツじゃない。
あの子に、あの子に私が屈するなんて……冗談じゃない!
怒髪天を突く勢いの美琴に、笠原女史があらあら、と言う顔でなだめにかかる。
「おお、怖い。冗談よ、冗談。言い過ぎたかしら……でも、どうしてそうなっちゃったのかしらね? 不思議だわ」
「どうでもいいでしょう? それこそ、プライバシーの問題です! 二人の間で決めたことですから!」
色をなしてくってかかる美琴。だが、笠原女史の次の言葉はそんな美琴を黙らせるものだった。
「他に、いいひとが出来たとか、かしら? よくある話だけど」
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