825:LX[saga sage]
2012/08/19(日) 20:59:44.09 ID:4tGOQ92R0
朝、未来に聞いてみたら、いとも簡単にあの子は答えた。
「最初は普通のビジネスホテルに泊まっていた子もいましたけれど、今は全員、第二十学区のスポーツスタジアム併設の選手村みたいなところに集まってますよ?」と。
「ええっ、何よそれ、どういうこと? 誰かの指示ってこと?」
「わかりません。なんでも入国の際に、集合場所はどこそこだから、というような文書をもらったそうで」
「そんなバカな……それ、今、あんたか誰か、持っていない? そんな怪しい文書、いったいどこが出してるのよ?」
「私は当然持ってませんけど……ちょっと待って下さいね、ネットワークで訊いて見ます……ありがと、それね……ええっ? ホントに? ううん、心配はないから、大丈夫よ? じゃね。
あの、お姉様<オリジナル>、わかりましたよ。とりあえず30人ほどの答えですが、どれも同じく『学園都市広報委員会』が出してます」
私は絶句した。 あのクソ女め……
でも、それって、あんたら、絶好の攻撃目標でしょうが! 不用心すぎる!! 思わず、私の声は高くなった。
「あんた、学園都市を信用しちゃダメでしょうが!」
しかし、あの子は、そんなことは先刻承知、という感じで落ち着いた声で答えた。
「え? 大丈夫ですよ、お姉様<オリジナル>」
そして、少し自慢げに言い放ったのだ。
「あのひとが、見張ってますから」と。
思わず私は吹き出しそうになった。
あいつが、スタジアムの屋上で缶コーヒーを飲みながらブー垂れている姿を想像したからだ。
「なんでこのオレがあいつらの面倒見なきゃいけねェんだ、クソッタレ」と。
なんだかんだ言って、結局あいつはこの子の尻に敷かれているらしい。まだ高校1年なのに大したものだ。
……そう言う点では、あの子の方が上かも知れない。
そうよね、だから私、アイツをあの子に取られちゃったんだもの……
……ああっそんなこと、どうでもいいじゃないの!
とにかく、これで読めた。
この話は、全部、出来レースだ。
黒幕は、学園都市。統括理事会、広報委員会だ。
最終ゴールは、
私の、学園都市への屈服。
たぶん、私の、広報委員会入りだ。
でも、本当にもしそうなら、もうケリは付いたはずだ。
悔しいけれど、あいつらの手はずどおりに事は運んだ、ってことよね……
でも、見てなさい……!
私は、あんたたちの思うとおりになんか、絶対に動いてやらない。
ううん、絶対に動くものか。
さぁてと、さっさとこの話、終わらせましょうか。
さぁ、行くわよ、美琴。
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