826:LX[saga sage]
2012/08/19(日) 21:04:42.37 ID:4tGOQ92R0
美琴が扉を開けて、ホールに姿を現すと、天井にまで反響するほどのざわめきが瞬時に消えた。
言葉を発しない代わりに、ミサカネットワークではミサカたちの思念が飛び交う。
( キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!!! )
( お姉様<オリジナル>キタワァ.*:.。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。.:*☆ )
( おおお、本物のお姉様<オリジナル>だ……初めて見た )
( あれ、昔より胸ある? )
( 化粧、いつもより濃くない? )
( オーラ半端ねェよ…… )
( この感覚……これが、お姉様<オリジナル>…… )
( ふっ、あれなら勝てる )
( ぎゃははは、あんたたちバカねぇ、お姉様<オリジナル>が来たって事はさ(ry )
ヘアスプレーやら香水やらファウンデーションやらの香りが充満する中、1600人の視線が自分に集中するのを美琴は感じた。
その視線が、肌をピリピリと刺激する。
一糸乱れぬ、「同い年」の女性の、無言の圧力。
負けじと美琴は、妹達<シスターズ>を一通り見回すと、はっきりと良く通る声で第一声を放った。
「おはよう、妹達<あんたたち>!」
妹達<シスターズ>は、練習したわけではないだろうが、それは見事に綺麗に揃えた挨拶を美琴に返した。
「「「「「「「おはようございます、お姉様<オリジナル>!!!!」」」」」」」
1600対1である。
しかも、自分と極めてよく似た顔。よく似た声。よく似た体格、体型。
自分とよく似た身体電流の波形。
一人一人の能力は自分より下でも、数の圧力がひしひしと伝わってくる。
頭で考えていたよりも、妹達<シスターズ>の圧迫は遙かに上だった。
だが、そんなものに負けては居られないのだ。
「まずは、あなたたちに会えて、私はとても嬉しいと思ってます」
美琴は口火を切った。
、
「「「「「「「私たちも同じです。お姉様<オリジナル>に会えて、とても感激しています!!!!」」」」」」」
妹達<シスターズ>も負けては居ない。
「でもね、ちょっと厳しいこと言わせてもらうと、あんたたち、いい加減にしないと大変なことになるわよ!」
「「「「「「「大変とは、どのようなことが起きるのでしょうか、お姉様<オリジナル>!?」」」」」」」
「あー、いちいち大勢でハモるの止めて! とんでもない大合唱なんだから! 誰か一人、代表で御願い」
美琴は、閉口したような口ぶりで妹達<シスターズ>に、答えを一人に絞るように頼んだ。
すると、妹達<シスターズ>の動きが止まる。
おそらく、ネットワーク上でケンケンガクガクの大騒ぎになっているのだろう。
しばらくして、居並ぶ妹達<シスターズ>の中をかき分けるようにして、1人の、どこかで見たような制服をまとった女子高生が前に出てきた。
「ちょ……あんた、その格好……」
「えへへ、どうですか、懐かしいでしょ? お姉様の後輩の私でーすw ちょっと目立つように制服で来ました♪
まったくもう、あんたたちは……都合の良いときだけ私を使っちゃって」
居並ぶ妹達<シスターズ>を、コンニャロウと言う顔でにらむ、女子高生。
そう、それは御坂未来(みさか みく)、検体番号20001号、最終個体・上位個体・ラストオーダーと5つの名を持つ、彼女であった。
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