828:LX[saga sage]
2012/08/19(日) 21:15:04.74 ID:4tGOQ92R0
「何よ、あんた? なんで関係ないあんたがここに来るわけ?」
「何者ですか、あなたは?」
尖った声で美琴がなじり、不審者を見る目で未来が問いただす。
居並ぶ妹達<シスターズ>も瞬時に格闘戦の構えを取った。
しかし、土御門は平然として柳に風と受け流し、美琴と未来に向かって小声で話しかけてきた。
「おおっぴらには言えないが、関係ないわけではないんだな、超電磁砲<レールガン>、そして打ち止め<ラストオーダー>。
オレは土御門元春という。それでだ、5分だけ時間をもらいたい。御坂美琴とサシで話がしたい」
「ちょ、何勝手なことを言ってんのよ!? なんで私がアンタと」
美琴と未来は、昨日の打ち合わせの中で、恐らく学園都市広報委員会からの指令が何かの形であるだろうと予想はしていた。
しかし、こんな形で使者がやってくるとは考えておらず、いわば虚をつかれた形になっていた。
そんな二人にかまわず、土御門が(いいぞ、やってくれ)と小声で呟いた瞬間、彼と美琴の姿は消えた。
(テレポーター?)
一瞬茫然とした未来は直ぐに立ち直ると、騒然となっている妹達<シスターズ>に向かって叫んだ。
「みな、静まりなさい! 約束の5分だけ待ちましょう!」
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「で、話って何かしら? それに、広報委員会の仕事に外交委員会のあんたがなんで絡んでるのかしら?」
二人はどこかの会議室にいた。
美琴が鋭い目で土御門を睨みつける。
「ほー、そこまで知ってるとはにゃー、さすが伊達に学園都市の広告塔を勤めてはいない、ってところかにゃー」
「その、わざとらしいしゃべり方、止めて欲しいんだけど」
「そうかにゃー? 舞夏はこっちのほうが良いって言ってくれてるんだがにゃ。ま、ご要望とあればそうしよう」
「時間の無駄よ。ちゃっちゃっと話してくれないかしら」
「その通りだな、超電磁砲<レールガン>。それでだ……本当に、いいのか?」
一瞬、土御門の目に、痛ましげな色を美琴は見たような気がした。
「あら、あんたに言われる筋合いなんか、ないと思うけど?」
同情なんかまっぴらよ、と美琴は突っ張る。
「ほう、厳しいな。だがな、後悔しないか? あいつらの命と引き換えに、自分の将来を、未来をこのクソッタレな街に売り飛ばしたことを?」
一瞬、美琴の顔が強張るが、直ぐに彼女の顔には、冷笑が浮かんだ。
「おあいにく様。そんなことでくよくよするような、ヤワな私じゃない。この私、御坂美琴はそんな人間じゃないわ」
言い切った美琴の顔を土御門はじっと見つめ、ため息と共につぶやいた。
「茨の道か」
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