844:LX[sage saga ]
2012/08/26(日) 21:55:40.11 ID:s3IR9i8w0
むふふふふふふ、と言う顔で未来は追い打ちをかけてきた。
「それに、上条さんを見るお姉様<オリジナル>の目が違ってましたし」
「ど、どういう風によ?」
「うふふ、気になりますぅ? じゃぁ特別に教えてあげますね♪」
「なにもったいぶって……憎たらしいわね」
「あはは、そう言って頂けて光栄です。以前はですね、お姉様<オリジナル>が上条さんを見る時って、どこかしら不安な気持ちが僅かに出てたんですよ。
なのに、今朝のお姉様<オリジナル>は、ものすごく落ち着いてて、自信が漲ってましたもん。
これで確信したんです。あー、そういうことかー、と。
……そっかー、むふふ、お姉さまもやっとおんなになったのかー」
うんうんと頷くような言い回しの未来であったが、最後の一言に今度は美琴が「ん?」とひっかかった。
「ちょっと、『やっと』とは何よ、その言い方、まるであんた……って、え? ええっ? まさか、ちょっと、あんた?」
あいつとデキてるの、とまではさすがに言えなかった。自分だってそんな言い方はされたくなかったからだ。
が、しかし。
「さぁ、どうでしょう、うふふ」
はぐらかすような答えに、美琴は半分切れかかる。
「ちょっと未来? 名付け親として、姉として知っておく必要があるわよ! あんた、ほんとにそうなの?」
「それはヒミツですよ、お姉さま? あ、そうだ、名付け親で思い出しました」
一瞬、やば、まずい、という目をして話題を逸らしにかかる未来を、美琴は見逃さない。
「都合よく思い出すんじゃないわよ。話をそらそうったって、そうは問屋が卸さないわよ?」
「いえ、妹達からの依頼です。いっけなーい、何しに来たんだか、すっかり忘れてた……」
ぺろりと舌を出して、上目遣いに美琴を見る未来が話を続ける。
「今日来た彼女らからすれば、上条さんをお姉様<オリジナル>に譲ったのだから、お姉様<オリジナル>からも彼女らに何かあってしかるべきだと。
はるばる学園都市までやってきて何も成果がないのは寂しいと」
そう言って、未来はいったん言葉を切り、美琴に向かってうふふ、と笑うと上目遣いでチラチラ見ながら切り出して来た。
「それでですね、妹達<シスターズ>として、お姉さまに名前をつけてほしいとの強い希望があるんです」
美琴は思わず叫ぶ。
「はぁぁぁ?なんですってぇ?」
彼女は瞬時に思い出した。
この、こまっしゃくれた末の妹が学校に行きたいけれど、名前がないので行けないの、と駄々をこねてさんざん苦労させられたことを。
あれを、また?
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