845:LX[sage saga ]
2012/08/26(日) 22:02:53.33 ID:s3IR9i8w0
「あ、それから出来れば、上条さんにも一緒にいてほしいって。せめて挨拶くらいしたいって言ってました」
血の気が引いた美琴のことなぞ気にも留めないかのように、未来は話を続けてゆく。
「あんたねぇー、どこぞのアイドルタレントの握手会じゃあるまいし、いったい何人いるわけ?」
ざっと1600人いることは、とっくにわかっている。だが、念のため、本気なのか? というつもりで訊いてみたのだ。
あの、恐るべき数。
あの子たちに、1600人もいる、あの子たち全員……に?
「今現在で1638人です」
それが何か?と言う感じで、当たり前のように未来は答える。
「冗談でしょ……?」
「真・面・目、ですよ?」
「1638人全員?」
「全員ですよ?」
「勘弁してほしいわ」
「お姉さま? 9970人の生き残りのうち、たったの1638人ですのよ?
わざわざ、遠路はるばるここまでやってきたミサカもいるんです。お願いします」
ここで話が壊れようものなら上位個体としてのミサカの鼎の軽重が問われます、と言わんばかりに未来が圧してくる。
あのひとにはろくすっぽ会えないわ、
ようやく会えたらお姉様<オリジナル>とのお熱いシーンを眼前で見せつけられるわ、
あげくの果てには「結婚します」と宣言されてしまうわ、
妹達<シスターズ>としては憤懣やる方ないわけで、上位個体たる未来は荒れる妹達<シスターズ>をなだめすかし、ようやく折を付けたのがこの提案なのであった。
彼女としては、何が何でもここはお姉様<オリジナル>にうんと言ってもらわねばならなかったのである。
「何をお涙頂戴のドラマみたいなことを言ってるのよ? 元々は、私とあいつとが破談になった隙をついて、あいつにプロポーズするためにやってきたんでしょーが?
私のライバルみたいなもん、いいえ、ライバルだったわけじゃないのよ!」
未来は考える。
お姉様<オリジナル>が吠える。たしかに、その通りだ。
でも、今はもう、そんなことはどうでもいいのだ。あの件は、お姉様<オリジナル>が勝ったのだから。
今度は、私たち、妹達<シスターズ>のターンだ。
とどめの一撃を未来は放つ。
「すみません、もし御願いが聞き届けられないのであれば、ならば今度はここ、お姉さまの寮におしかけると言ってましたが」
「ちょっと、なに言ってんのよ、馬鹿なこと言うんじゃないわよ! ああっ、もうホントに不幸だわ!」
「あれ? お姉さま、そのフレーズは」
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