過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
1- 20
855:LX[saga sage]
2012/08/29(水) 00:10:00.17 ID:hMizSivz0

「お、お前、ホントに美子か? 美琴じゃないって、やっぱりそうだよな……安心したよ……。

つか、なんでそんなことすんだよ? 全く……驚かすなよ! びっくりしただろ!?」

「すみません。実は、美子はお姉様<オリジナル>の秘書になりました。

そして、場合によっては、このミサカはお姉様<オリジナル>の影武者を勤めることもある、と言われています。

今回、お姉様<オリジナル>がアメリカへ出張されましたので、早速ミサカの出番が予想されます。

それで、お姉様<オリジナル>になりきって街を歩いていたのですが、あなたを見かけたので、検体番号19090号と組んでテストをしてみたのです」

慣れていないのか、そういう検体番号10039号自体、一人称で「美子(よしこ)」という名前は一回だけで、あとは以前の「ミサカ」のままだ。

(お前だって自分を言う時は『ミサカ』のままじゃん)

と言葉が出かかったが、目の前のいたずらっぽい顔の美子は、美琴とはちょっと違う可愛らしさがあって、当麻は少しどっきりした。

「お、お前な、人をテスト台に使うかぁ?……いや、でもほんとにそっくりだったよ。なんで昨日見送った美琴が、と思った……」

「そうですか。あなたを騙せたのであれば、ミサカは第一の関門を突破したことになります。それでは次は第二のかんも……」

「そこまでです、検体番号10039号。お姉様<オリジナル>の予想通りですね。それはあなたには認められておりません。さぁ、戻りましょう」

当麻に抱きつこうとした美子に、やおら厳しい顔になった琴子が彼女をがっきと取り押さえ、当麻から引き離す。

「え? 何をするのです、私は御坂美琴ですよ!? 痛い!? 痛たたたっ!! ちょっと!? 痛い!

あのひとの家に一緒に帰って何が悪いのですか、こら、離しなさい!」

叫ぶ美子にかまわず、琴子は彼女の腕をきめると、軽く当麻に会釈して離れてゆく。

この状況をさっぱり飲み込めていない当麻は、反射的に小さく頷き、目で挨拶を返すだけであった。

「だから、全てお姉様<オリジナル>はお見通しなのです。諦めなさい、検体番号10039号!」

「いや、離して! あなた、助けてっ? その役得があるから、私、秘書になったのに!? 話が違う! やだ、離しなさいってば!」

琴子に、泣きながら引きずられてゆく美子の声が遠くなって行く。

(あいつ、美琴になりすまして俺のところに押しかけてくるつもりだったのか……?)

そして、すっかり忘れていた約束を彼は思い出した。ツーリングである。あれからかれこれ半年が過ぎている。

(あー、いっけねぇ、まだ一緒に行ってねぇよな……でも、美琴の留守に二人で行ったら、疑われるよなぁ絶対に……)


 
かくして、検体番号10039号こと御坂美子は、普段は第一秘書として。そして美琴の居ない時は、何回かとちりながらも彼女の影武者としての役目を果たしていった。

そして、普段は美琴の第二秘書、美琴の不在時には第一秘書である御坂美子になりすます検体番号19090号こと御坂琴子もまた、秘書役をそつなくこなしていった。

美子はなんとか役得、つまり憧れの当麻への接近をあれやこれやと画策し、美琴からの特命事項を受けた琴子はそうはさせじと邪魔をするという、二人の長い暗闘はこの時から始まったのであった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1293.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice