過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
1- 20
885:LX[saga sage]
2012/09/30(日) 20:38:20.54 ID:21DH1Xvd0

「ホントなのか?」

「こんなこと、冗談で言えるわけ無いでしょ」

「いや、だって……」

「言っておきますけど、私、あんたらを許した訳じゃないからね? そこんとこ誤解しないでよね?

今回は、母さんたちが言い出したことなんだからね? 私が決めたことじゃないんだからね?」



時は少し遡った昨年の11月。

共に忙しく、久方ぶりに当麻の寮へお泊まりした美琴と当麻であったが、仲良く睦み合った後の寝物語は、ついさっきまでの甘ったるい睦言とは180度逆の険しい話になっていた。



妹達<シスターズ>大集結の際に、統括理事会広報委員の笠原真彩を通じてもたらされた「御坂妹」とそのお腹の子への脅迫に対し、美琴は彼女を自分の実家に預けるという苦渋の決断で対応した。

更に、妹達<シスターズ>への脅迫についても、自分が広報委員会へ就職するということでケリをつけた美琴の元に、実家から驚くべき知らせが来たのだった。

「検体番号10032号に日本国籍を取らせ、お腹の子供に迷惑がかからないようにした。名前については、御坂麻美(みさか あさみ)と言う名前にした。これは3人で考えて決めたので宜しく」

美琴は激怒した。

何故にそんな重要なことを、私抜きに決めたのかと。

どうしてそんな重要なことを盗聴されている携帯回線を使って連絡してくるのかと。

怒った美琴は、秘書の御坂美子(みさか よしこ:元検体番号10039号)にさんざん八つ当たりした後、自分の仕事を彼女に放り投げて早退したのだった。

とばっちりを受けたのは御坂美子一人ではなく、本来非番であった御坂琴子(みさか ことこ:元検体番号19090号)にも及んだ。

美琴の影武者を美子が勤めるために、美子の影武者を琴子が演じなければならなかったからである。

その美琴は速攻で一時外出許可を取ると、第十二学区から東京へと出た。

バスに乗り、とあるバス停の前にあったコンビニに公衆電話があるのを見つけると急遽バスを降り、その公衆電話を使って家に電話を掛けた。

しかし、怒りをぶつけるはずだった美琴は、それどころではない、母・美鈴からもっと驚く話を聞くハメになったのである。



当麻の胸に頭を乗せている美琴。火照った身体が熱いからか、片足は掛け布団からにゅっと外へ伸びている。

「そうだろうけど……」

「まぁね……それに、ここにいるよりは、あっちの方が比較的安全かなって。

もし、あそこにいるあの子たちに手を出したら、それってこの私に正面からケンカを売るってことだからさー。

それだけ度胸ある連中は今となってはそう多くはないと思うのよね」

自分を広報委員会へ入れる為のブラフは、もはや必要はない。その通り自分は広報委員になったからだ。

であれば、むしろ自分たちに危害を加えようとするものは学園都市の敵と見なされる。これは十分抑止力たり得る、と美琴は思っていた。

「まぁな……でも、やろうって連中がホントにいたら、ここだろうが東京だろうが、あんまり関係ないとは思うけどなぁ」

「縁起でもないこと言うんじゃないわよ? まったくもう……」

頭を上げて、当麻を睨む美琴。

「でもさ、本当に、いいのか、その……なんというか、俺の子ではあるけど、その、お前からすれば面白くないと言うか、問題の、子なんだしさ……」

「あんたって、ホント自分から墓穴掘るのが好きなのね……あきれちゃうわ、ホント。

いい? アンタはね、私だけじゃなくて、御坂家に対して、返せそうもないくらいの大きな借りを作っちゃってるんだから、そこ、よーくわかってる?」

「いや、それはそうかもしれないけどさ、こないだのあの件で少しは返してると思うけどな?」

「ううううううるさーいい!!! 黙らっしゃい! あんたは少し黙ってなさい!」

はいはい、と当麻は美琴を引き寄せ抱きかかえると、彼女の唇を自分の唇で塞ぐ。

形ばかりの抵抗をして、目を閉じ「むぅ」と唸る美琴は、しなやかな腕を彼の肩に絡めると、自分の身体を彼の上に滑りこませた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1293.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice