917:LX[saga sage ]
2012/10/21(日) 23:07:16.56 ID:UzgGY96z0
数分後。
「あの、上条さんという方の依頼で来ました。ベビーバスケット付けてありますので」 とタクシーの運転手が受付に現れた。
「あら、ついさっき乗って行かれましたよ」 と受付の女性が答える。
「え? ホントですか? どこの車でした?」
「気にしてなかったけど……」
そこへ、さっき見送った医療スタッフの一人が戻ってくる。
「なーに、どうしたの?」
「なんかタクシー間違っちゃったみたいなんです」
「そうなの? あららー」
「あの、どちらのクルマでしたか?」
「第一交通さんだったかな、あら、あなたと同じところじゃない」
「わかりました。ありがとうございます」
そう言うとタクシーの運転手は走って出て行った。
「まぁ同じ会社だからいいんじゃないの?」
「あるよねー、違う車に乗ってちゃうのって」
ケラケラと笑う二人。
そこへ先ほどのタクシーの運転手が戻ってくる。
「すみません、ウチの会社に確認したんですが、こちらにまわったクルマは私だけなんですが、ホントにウチの車でしたですか?」
「いや、そう言われても……」
「でも間違いなく第一交通さんだったよ、あのマーク」
「誰か、流しのひとがたまたま入ったんじゃない?」
「……そうですか……おかしいな、誰も来てない筈なんだけれど……すみません、お邪魔しました」
腑に落ちない顔をしたまま、タクシーの運転手は出て行った。
「すみません、御坂麻美はもう退院しましたでしょうか? 待っているのに全然来ないんですが、何かありましたでしょうか」
数時間後。
御坂美琴からの電話で病院は大騒ぎになった。
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