928:LX[saga sage]
2012/12/02(日) 18:53:26.93 ID:fLg29DFl0
「なぁ、オレ、やっぱあいつどうなったか見てくるわ」
そう言ったのは先ほどの眼鏡の男。彼こそが偽タクシーの運転手であった。
「へ? ほっとけって言っただろうが?」
「そうだよ。男はカネになんねえぞ」
リーダー格の男と、もう一人の小柄な男が口々に彼をなだめようとする。
「そうだけどさ、あの幻想殺し<イマジン・ブレイカー>の右手は売れるんじゃないか?」
「はぁ? お前何考えてんの?」
「いや、そんな話聞いたことがあるもんで……」
「なら、右手だけ切ってこいよ?」
「おいおい、切っちまったらまずくないか?」
「待てよお前……いいか? 今回はだ、そいつの要望は受けてねぇんだ。そもそも注文もされてないものを取ってきたのはお前のミスだ」
何をいつまでもグダグダ言ってるんだ、とばかりにリーダー格の男が断言する。
「いやそう言ってもよ、一緒にいたんだから仕方ねぇだろ」
「ルールだ。お前の報酬は今回半額。次で挽回しろ」
「そんな……」
勘弁してくれよ、と言う顔になる眼鏡の男。
「文句あるのか?」
「……ちっ。わかったよ。しゃあねぇな。これが終わったらにするわ。仕事が終わったあとならいいだろ? それに俺が売りさばけば文句ねぇんだろ?」
「終わったあとは知らん。勝手にやれや。だがな、覚えておけよ? 万一足がついたら、その後はわかってるな」
「ああ。当然だろう。ドジは踏まねえよ」
「さて、じゃ次は御坂のねぇちゃんか」
とりあえずケリはついた、と見た小柄な男がつぶやく。
「おう、丁寧に運べよ? 目を覚まされたら俺ら黒こげだぜ?」
「ははは、大丈夫だ。半日は目を覚まさないって」
「そうなのか? ならせっかくだし、いい女だし、持っていく前にちょっとやっていい?」
ニヤニヤと狡そうな顔で小柄な男が言い出す。
「お前な……黒焦げになりたいのか?」
リーダー格の男があきれた声で答える。
「え、今ならヤレるんじゃねぇの?」
「もし途中で気が付いたら、お前、間違いなく死ぬぞ?」
「ちぇっ、AIMジャマーがもう少し小型化されてりゃ、こんな苦労しないのにな」
不満そうな顔の小柄な男。
「文句言うな。ステーションワゴンに付けられるようになったんで、この計画できたんだからな」
「そっちは?」
「ああ、赤ん坊だから楽勝だ」
「そうね、この卑怯者」
男達は一斉に声の主に振り向いた。
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