過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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978:LX [saga sage]
2013/01/03(木) 23:56:43.03 ID:pp/Lc+sn0

「良く他のお母様たちと話をしたものだけど、どこの家でも男の子の母親はひぃひぃ言ってたわ、乱暴だし、やたら活動的だしね。

ほんと、女の子だったらどんなに良かったかしら、って言ってたのよ?」

ドヤ顔で当麻を見る詩菜。しょぼんとする当麻。目を丸くする美琴。

「でもねぇ、女の子しかいないお母さんはね、男の子が欲しいって言うのよ。何もわざわざ苦労するようなことしなくても良いのにね……

あら、それならどうぞウチのを持っていって下さい、って言った事もあるけど?」

美琴には、思い当たるふしがあった。

(母さん、弟が出来なかったから、あの子を引き取ったんだろうか?)

「そう言えば、美琴さんはご実家に帰られるのかしら?」

何気なく、詩菜がそう美琴に質問した。

美琴はとっさに返事出来ない。

「そうよね、美琴さんはあそこの一枚看板みたいなものですものね、そうそう休めないわよね……

でもね、無責任かも知れないけれど、産むのは貴女自身なのよ、無理して変な事になったら大変よ? 

学園都市が責任取るって言ったってどうにもならないんだから」

「母さん、縁起でもないこと言うなよ」

「そうだわ、当麻さん? あなたはどうなの? 自分の妻たる美琴さんをどうするつもりなの? まさか知らぬ存ぜぬなんて事はないでしょうね?」

「な訳ないだろ!? 考えてるさ!」

「……実家へ戻ります。私の代わりは、あの子たちがやってくれますから」

母子が言い合いになりかかったその時、美琴は静かに自分の決断を述べ、二人ははっとして静かになった。

「そうよね、その方が良いわ。親元でのんびりと……」

詩菜の言葉が止まった。

そう、美琴の実家には、彼女の不倶戴天の敵(と詩菜は思っている)である、あの子が子供といる事に詩菜は気づいたのだ。

「あ、大丈夫です。妹みたいなものですし、それにあっちの方が子育てでは先輩になるから、困った時に役にたつかな、なんて……」

詩菜の言葉が止まった理由に気が付き、心配ないですと言って笑う美琴。

だが、その笑い顔がどこか不自然である事に、詩菜も当麻も直ぐに気が付いた。なんせ、本人が途中で笑顔を消してしまったのだから。 

「こう言っては失礼だけれど、美琴さんのご実家、そんなに広いお家なの?」

美琴は言葉に詰まった。

強いて言えば、住めない事は、ない。

自分の部屋はちゃんとある。ざっと6畳ほどであるが、まぁ1年くらいは何とかなるだろう。だがそれ以降は……

「何とかなるでしょう。自分の家ですから」

当麻は黙っている。理由はともあれ、あの子は自分の子なのだ。
 
「あのね、美琴さん?」

居住まいを正した詩菜は、名前を呼ばれて居住まいを正した美琴に向かって、驚く事を言い出した。

「よかったら、ウチにいらっしゃらないかしら?」

嫁・美琴を引っ張り込もうとする姑・詩菜は話を続ける。身を乗り出さんばかりの勢いである。

「うちはね、この子が居なくなってからこの有様なの。そんなに広い、って訳じゃないけど、家に1人でいるのは寂しいの。

ご飯作っても誰も一緒に食べてくれないし、話し相手もいないの。あの人は突然居なくなるし、居なくなったら暫く帰ってこないしね。

仕方ないから外に出かける事もあるけれど、ずっとおしゃべりしてるわけにも行かないし。

それにね、こんなおばちゃん一人で居るというのは、いくら警備会社に頼んでるとは言っても決して安全とは言えないし……

ね、一人で寂しい思いをしてる義理の母を助けると思って、来てくれないかしら? もう空いてる部屋好きに使ってもらっていいから?」



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