992:LX [saga sage]
2013/01/10(木) 21:58:31.38 ID:1IBHAIL60
予想外にスムースに取材が終わった!
これは、間に合うかもしれない。 あたふたと私は空港のフライト情報板を見る。
あら、海外からの到着便の案内では出発が1時間遅れてて、到着予定時刻は1時間半も遅い時間になってるじゃない!
ラッキー! これなら、多分、いける!
「琴子、あとは宜しくね!!」
「お気をつけて、上条委員」
ニヤニヤと琴子が笑って私を見送る。いいでしょ、お姉さま<オリジナル>だってきっとそうしたはずだもの。
エレベーターでロビーに下り、私は脱兎の如く正面玄関を駆け抜けタクシーに乗り込む。
「国際空港、到着の方!」
私、やっとあのひとに会える!
着いて5分後、到着のサインが点灯した。無事着いたらしい。良かった。間に合ったー。
30分くらいかかるのだろうか、何人かのミサカの話だと、ひどいところは1時間くらいかかる空港もあるといっているけど。
ここは天下の学園都市なんだからそんなことは…ないよね?
「よ、ただいま」
いきなり肩をたたかれた。
「えっ?」
あのひとだった。
「出迎えてくれたんだ? 有難う。遅れたみたいだけど、ずっと待ってたの?」
すまないな、という顔で、頭をかく、あのひと。
「ううん、今、いま来たばっかりなの」
私はそれしか言えなかった。もっと言いたいことが、あるのに。
たくさん、とってもたくさん、山ほど一杯あるのに……!
「あー、待たせちゃったんだな。ごめんな」
「あ、それ、私持とうか?」
気を取り直した私は、お姉さま<オリジナル>らしく言って見る。
違う! 私の言いたい事、そんなことじゃないのに。どうしてどうでもいいことばかり言葉になるの?
それでも私の身体は独りでに動いて、あのひとの大きなキャリアケースを持とうとする。
「あ、それはいいから」 あわてたように言うあのひと。
「すまないな、その中には製品サンプルが入ってるんだ。忘れなかっただろうな、上条当麻?」
(誰?) 聞きなれない声がした。
「あれっ!?」
声の主の方を見る、あの人の視線の先にいたのは…
「社長…」
社長? 私はデータベースを探す。
……いた。
―― 雲川芹亜(くもかわ せりあ) ―
というひとだった。
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