996:LX [saga sage]
2013/01/10(木) 22:39:40.85 ID:1IBHAIL60
「怒ってる?」
私は黙っている。
「な、昨日はごめんよ。もう死にそうだったんだよ」
一生懸命、機嫌を直そうとしてあれやこれや言い訳するあのひと。
まだまだ。
我慢、ガマンよ、ミサカ。
一発で決めないと。
失敗は許されないんだから。
「あなた、昨日、あれからどうしたの? 何があったわけ?」
あのひと、目を白黒させてる。おかしい。
ううん、そんなことに心を動かしちゃダメ! お姉様<オリジナル>が許しても、ミサカは絶対許さないんだから!
「あれ、言わなかったっけ……? もう一度言うと、契約の中身の点検を『うそおっしゃい!』……ウソじゃないぞ?」
「ふーん、そう、なんだ?」
「ああ、そうだ」
「じゃアンタ、今ここでそのシャツ脱いで、私に背中見せてご覧なさいよ? ほら」
あはは、ほーら詰まっちゃった。ミサカは騙されないんだから。
あ、え? 何これ、あ、もしかして土下座? これが有名な、あのひとの? あはは、初めて見た。なんか気分いいわね、わたし。
「すみませんでしたっ!」
「アンタ、あの女としたのね?」 謝って済む事じゃありません!
「すみません! クビになりたくなければ言う事を聞けって、もう強引に、本当にごめんなさいっ!」
高い声がいいかな……いや、低い声でドス効かせた方が効果的ね。よし、それで行こう。
「理由はどうあれ、これは由々しき問題です。お姉さま<オリジナル>への重大な背信行為です」
「いや、そうだけど、相手が悪かったんだよ」
「お黙りなさい! あなたの得意技を使えばよかったでしょうが?」
「は?」
「おまえのその幻想を、ぶち壊す! って、アレの事です!」
「……お前、それさ、まだ右も左もわからねぇ高校生の時の話だぞ? 今そんなことやったらどうなると思う? それに、相手は社長なんだぞ? 出来るわけないだろう」
「へーぇ……ふーん、そうなんだー? あなたもオトナになっちゃったんだー。昔は、女の子だろうと誰だろうとぶん殴っていた人が、ねぇ……」
「頼むからもう止めて、もう恥ずかしいから」
「ちょっと、話をずらさないの! まったくもう……やっぱり、お姉さま<オリジナル>に報告致します!」
「おぉい……頼むよ、御願いだよ。美琴には黙っていてくれ、頼む。何でも言う事聞くからさ」
ようし、来た。やっと、言ったわね。ふふふ、これを待っていたのよ。 さぁ、ミサカ、チャンスよ?
「あっそう。何でも言う事聞くんだ……それなら、ま、黙っててあげてもいいかなぁ?」
「そ、そうか。頼む。御願いだ」
「でもねー、ひとつ条件あるんだけどな?」
「な、なんだ?」
さぁ、ミサカ、決めるのよ。そう、傍ににじり寄って、微笑んで! 上目遣いで、さぁ行けっ!!
「私も、抱いて……ね?」
キャ、言っちゃった! ねぇ、嫌とは言わせないんだからね、あ・な・た? うふふっ♪
(番外編その2 完)
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