過去ログ - ドイル「敗北を知りたい」QB「それが君の願いなんだね」
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59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/15(金) 01:38:28.32 ID:o/BSsb1IO
この女は相当なものだ、と佐倉杏子は考えた。
ただの新米〈ルーキー〉と考えてはいけない、と理性が警鐘をならした。
事実、さっきの使い魔との空中戦は、ド素人の挙動(うごき)ではなかった。
ふと、自分と女との空間が、歪むような錯覚を覚えた。
闘気と闘気がぶつかり合っているのだと解釈した。
身体に緊張が走る。
しかし、悪い緊張ではなかった。
ほどよい“それ”は、むしろ彼女の感覚をクリアにした。
女の動きを観察する。
両手を下げ、構えをいう構えはしていない。
いや、これが構えなのかもしれない、と思った。
その挙動に針の穴ほどの隙も見当たらなかったからだ。
獣じみた構えが、この女にとっての標準〈スタンダード〉だと確信した。
自分の得物は伸縮自在の槍。制空圏ではこちらに分がある。
しかし、あまりに伸ばして闘うのも考え物だった。
一の太刀を回避した敵は持ち前の瞬発力で、一気に間合いを詰めてくるだろう。
となれば……

杏子(中距離……が一番良さそうだね)

体中から暗器をだしているような女だ。近距離は危うい。
この間合いで闘うのは薄氷を踏むようなものだ。
何があっても対処できる中距離が、彼女の最高の間合いだった。


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