過去ログ - まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」
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103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage saga]
2012/01/07(土) 11:24:32.98 ID:ft8utIWx0
 落ち着き払った声。それは少女的な声質とひどく噛み合っていない時代掛かった口調をしていた。
と、それに気が付いた時にはもう、目の前の化け物は真っ二つに裂け、
中から真っ赤なドレスに身を包んだ長い赤髪の少女が現れた。

「ならば今すぐここから踵を返し、見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう。
尤も、少々難がある人で、強いられる羞恥を覚悟せねばなるまいがな」

 呆然としたサキを尻目に少女は泰然とそう言って、翻った。

サキ「あ……」

サキ「……ありがとう」

 サキの動悸は治まっていた。

「……礼には及ばないさ。それに、これはしっかりとあたしが頂戴させてもらう」

 そう言って少女はグリーフシードを拾った。サキは構わなかった。助けてもらったサキに彼女を咎めることは出来ない。

「では、これで失礼させてもらう」

 変な少女だ。格好つけたような口調で、一挙手一投足が時代劇の武士のように思える。
あんなことがあった後だからか、サキの心は異常に朗らかで、だからつい、彼女に対して踏み込んだ。

サキ「あの、私は浅海サキ、君は?」

「……」

 少女は振り返って、言った。

杏子「佐倉杏子だ」

 サキはぶっきらぼうだけれど素直に答えてくれた彼女に感謝をこめて言う。

サキ「もう一度、お礼をさせてもらうよ。助けてくれてありがとう、杏子」

杏子「礼には及ばないと言った筈だ。では今度こそ、あたしは失礼させてもらおう、サキ。達者でな」

 そういって杏子は今度こそ、その場から立ち去った。サキはその後ろ姿を見ながら、ふと、思い出した。

杏子『今すぐここから踵を返し、見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう。
尤も、少々難がある人で、羞恥を覚悟せねばなるまいがな』

サキ「……?」

 なんだろう、この胸騒ぎは。また、杏子の言葉が反芻される。

杏子『見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう』

サキ「……」

 これ以上は……いや、駄目だ、絶対に……!


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