過去ログ - まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」
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74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/10/04(火) 15:46:01.52 ID:y+L6PeSH0
かずみ「今日、さやかに会えて良かった」

 沈痛な雰囲気を破ったその一言で、緊張はほつれて、頭に昇り詰めていた血が再び体を巡り始める。じりじりと頬を這う汗を拭い、さやかは振り返って、言った。

さやか「・・・さやかちゃんに会えたのがそんなに嬉しかったのかー?可愛い奴めー!」

 こんなにも、自分らしく振舞うのに難儀するのも珍しい・・・。時間が遅く流れる。足が重く、頭も鈍い・・・元より優れた知能を持った訳ではないさやかだが・・・いや、だからこそこのような事になっているのだ。・・・どうする・・・どうすれば良いのだろう・・・。

さやか「・・・ねぇ、どうして杏子に会おうと思ったの?」

かずみ「わたしたちの目的が、魔法少女殺しの犯人を退治する事だからだよ」

さやか「・・・魔法少女殺しの犯人は、呉キリカだって昨日」

かずみ「それじゃぁ、どうして呉キリカは死んでいたのかな」

 ・・・。

かずみ「ニュースで見たんだ。呉キリカは、あの大惨事の中で唯独りだけの死傷者ってね・・・まさか、魔法少女が只で人間に殺される訳ないよね?発見されたって事は、結界の外だし・・・なら、同じ魔法少女が殺したとしか考えられない――いや、そうなんだよ」

さやか「・・・そうなの、かな・・・あたし頭悪いからそういうの全然解かんないやぁ!ははっ」

かずみ「・・・そうだね、さやかって、あんまり頭良さそうじゃないもんね」

さやか「な、なんだとー!」

かずみ「だってさやか、魔法少女殺しは呉キリカと美国織莉子だって言ったのに・・・さっきの言葉じゃ、殺された呉キリカが魔法少女殺しだって言ったようなものじゃない」

さやか「それは・・・!」

かずみ「それじゃぁ、呉キリカを殺したのは誰なの?」

 美国織莉子。と言い掛けて、喉が詰まった。その回答は正解か?本当に、それで充分なのか?或いは今そうであるように、いずれその迂闊な発言が自分を窮地に追い詰めるのではないだろうか?だが、自分は既に窮地に立たされている。自分は、どうすれば助かるのだろう――。

かずみ「・・・さやか、教えて・・・今ならわたし、あなたの事、許してあげる・・・だってわたしたち、友達だもん」

かずみ「ね、さやか・・・?」

 かずみは怜悧さを無くし、年相応の少女のように憂い、さやかを懇願の瞳で真っ直ぐに見つめる。・・・彼女が、嘘を言っているようには思えない。信じても良いのだろう・・・だがしかし、件の呉キリカを殺した犯人とは――真犯人は――!!

さやか「佐倉、杏子・・・」

かずみ「・・・」

さやか「・・・」

かずみ「・・・」

さやか「・・・」

かずみ「・・・ありがとう、さやか」

さやか「・・・どういたしまして」

かずみ「それじゃぁ、案内してくれるかな?」

かずみ「佐倉杏子のところに」

さやか「・・・」

さやか「うん」

 ・・・もう、どうでも良いや・・・。


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