20:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 00:51:43.76 ID:WdcBs0Va0
示し合わせたように、先ほどのラブレターの件は頭の隅に追いやることにした二人。
小一時間前の記憶にだけフタをして、和やかに昼食を楽しむ。
周囲には遅れてやってきた打ち止めのクラスメイトの姿が、チラホラと確認できた。
箸を動かしながら二、三人でヒソヒソとこちらを気にしている。
これから部活なのだろう、ジャージを着た他のクラスや学年の生徒も、
二人を見るや昼食のトレイを持ったままポカンと足を止める者までいた。
打ち止めはさして周りの反応を気にしていないようだったが、
一方通行は逐一それらを把握している。
そしてニヤリと笑う。なんだか急に、打ち止めを甘やかしたくなった。とても。
「おいオマエ、この後予定ないンだろ?」
「ん?うんないよ、ってミサカはミサカはうなずいてみる」
「よォし、感謝しろよォ?やりくりできないクソガキのために、第一位が一肌脱いでやる。
セブンスミストでいいか」
「??え?え?なにそれって一緒にお買い物に行ってくれるってこと!?
しかもミサカのおさいふ宣言!?」
「まァそういうことだな」
「やったあー!ってミサカはミサカは我慢できなくて、
もう食べ終わったから片付けちゃうね!」
打ち止めはテキパキと二人分の食器を返却スペースに運んでいく。
戻るなり、また一方通行の左手を掴んで立ちあがらせた。
「早く行こうよ!ああでもミサカ制服だ、全然おしゃれしてないぃ〜」
「アホ。向こうで好きなモン選ンで着りゃいいだろうが」
「あそっか、ってミサカはミサカは本当に今日のあなたの優しさにびっくり」
「ふン。せいぜいこの機会を有効活用するンだな」
「ハーイ!ってミサカはミサカは元気にお返事してみたり」
仲良く学食を去る二人を、多くの生徒が見送った。一方通行の心は弾んでいる。
柄じゃないのは分かっているが、こうしたい、これでいいと
肯定する気持ちの方が勝っていることを自覚していた。
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