32:ブラジャーの人[sage]
2011/07/15(金) 01:25:38.79 ID:WdcBs0Va0
もう片方の手が、自然と動く。
こうして打ち止めを自分の腕の中に抱くのはどれくらいぶりだろうか。
打ち止めも、彼の腕が自分を包み込むのに合わせて背中を一方通行の胸に預ける。
「……」
「……」
気不味くない、心地よい沈黙もあるンだな、と一方通行は目を閉じた。
数十秒後、打ち止めがもぞりと動く。彼女は眉をひそめ、顔を膨らまして自分を見上げている。
なンだよ?と視線だけで問いかけると、これみよがしにハァと溜息をつかれた。
打ち止めは身をよじらせて体を少しだけ持ち上げると、桜色の唇を一方通行の頬に押しつけた。
「!!」
落ち着いていた心臓が、また早鐘を打つ。
「ここはキスするところだと思うの、ってミサカはミサカはあなたの
恋愛スキルの低さに安心したりガッカリしたり」
「そりゃスイマセンでしたねェ…」
(マセガキが…)
仕方ない、どうしようもない。他の男に渡すなんて選択肢はあってはならないのだ。
だったらやることは簡単だ。
「ラストオーダー」
「!は、はい!」
「目を閉じろ」
一方通行は打ち止めの腰を抱く左腕に、一層力を込める。
見る間に首筋まで朱に染まった打ち止めは目をしばたかせると、
喉をゴクリとさせて、ゆっくりと瞼をおろした。
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