過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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17:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga]
2011/07/16(土) 02:33:48.40 ID:gKHRPC68o

「今から、俺と付き合ってくれ、吹寄」
「うん……。こちらこそ、よろしく。ってなんかやっぱり実感湧かないわね」
「そりゃカーテン越しだしな」

……これで、今この瞬間に、自分と吹寄は彼氏彼女になった。
だがこれっぽっちも、付き合いはじめた感慨が無い。
棚ぼた式で得てしまったからだろうか。

「ね、上条。こっち来て」
「……へ?」
「何を寝ぼけているの。そういう話から、始まってるんでしょうが」
「お。おう。そうだったな」

招かれたら、行くしかない。
とことこと、靴下で木のタイルの上を歩く音が部屋に響いた。
それに、吹寄が息を呑んだのが判る。

「吹寄、そっち行っていいんだな?」
「……いいって言ってるでしょ」
「わかった」

上条は、カーテンの端をそっと摘んで、ベッドサイドへの通路を開く。
そしてくぐるように抜けた先には、胸元を手で隠した吹寄が、ベッドに腰掛けていた。

「――――あ」
「な、何か言いなさいよ」
「悪い。その、見とれちまった」
「変なお世辞なんていらないわよ。さっきも見たでしょうが」
「そうだけどさ、綺麗なモンは、何度見たって綺麗だし」
「き、きれい、って――バカ!」

いつもみたいに、ムスッとした顔で吹寄が怒った。
だが違うところもあった。すっと頬が染まったのが判る。
それだけで、ずっと愛嬌良く、可愛らしく見えた。
もしかしたら、付き合うって話が出たからこその、色眼鏡なのかもしれない。

「吹寄。それじゃあ、その、吸えばいいのか」

何を、を言うのが恥ずかしくて、互いにぼかしてしまう。
吹寄とて、覚悟は決めているのだろう。コクリと頷いた。
上条は手始めに、吹寄のむき出しの肩に、手をかけた。



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