過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」
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nubewo
◆sQkYhVdKvM
[saga]
2011/07/16(土) 02:20:37.58 ID:gKHRPC68o
姫神辺りの顔を思い浮かべながらそう尋ねた上条に、吹寄が強く反対した。
その理由は上条には判らなかったが、単純だった。
こんな、恥ずかしい体の異変を、同年代の同性の友達に聞かれたくない。
「えっと、じゃあどうしたらいいんだ。お前、一人で平気なのか?」
吹寄は、その上条の問いかけに返事をしなかった。
だがかすかに聞こえる肌がこすれる音と、苛立ちとも不安ともつかない不安定な吐息が、吹寄の心境を代弁していた。
「出て行ったほうが良かったら、すぐ出て行く。話せることがあったらなんでも聞くし、誰にも話したりしない」
「……本当に?」
「信じろ。俺はそんな不安そうなヤツをほっぽりだしたり、笑ったりなんて絶対しない」
当たり前のことを、上条は吹寄に伝えた。
吹寄は、その言葉を信じていいか、迷った。
だって上条は男子だ。女子の悩みを、わからないかもしれない。
同性に打ち明けるのと違って、どう反応するのかわからない。
ただ、声の響きは真摯で、上条という人を疑う気持ちにはならなかった。
「こっち、見ないでね」
「あ、ああ」
吹寄がそう呟くのを、そっぽを向いたまま聞いた。
上条の視界の外で、吹寄は床に落ちたブラを拾い上げ、脱いだセーラーの上着のあるベッドへと進む。
そしてほどなく、シャッとカーテンが引かれる音が聞こえた。
「もういいわよ、上条」
「ん」
「鍵、閉めて」
「俺、出て行かなくていいのか?」
「いいから……。早く」
「わかった」
振り返ると、吹寄はカーテンの向こうのベッドにいた。腰掛けているらしいのはシルエットでわかった。
その肩のラインと、豊かに主張するバストのラインがはっきりと映し出されていて、上条はドキリとなった。
いけない、と思う。不安がっている女友達に興奮するなんて、最低だ。
後ろ手に鍵をカシャンと言わせ、密室に二人きりになることに背徳感を覚えながら、上条は吹寄に声をかけた。
「閉めたぞ」
「……ありがと」
返事はそれだけだった。一瞬の沈黙が二人の間に走る。
いつもならパンチの一発はあってもおかしくない。
もう、下着を着け終えて上条を地べたに這いつくばらせるくらいの時間はあったはずだ。
だが吹寄は、一向にあちらからアクションを起こさない。
いつもと違うその態度が、吹寄が気弱になっていることを感じさせた。
上条は、自分から声をかけるのを躊躇った。聞き方を間違えれば、吹寄を傷つけるかもしれない。
だが、その躊躇いはきっと吹寄を困らせる気がする。上条は身長に言葉を選んだ。
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