4: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/07/16(土) 02:38:57.52 ID:RoU1LS4DO
結局あれからジャッジメントの資料をもらい、上条は家に戻った。
ジャッジメントの資料は各学校に置いてあり、志願する事によって適性試験が行われる。
「うーん……9枚の契約書に13種類の適性試験。受かった場合は4ヵ月の研修か……これ結構大変だな」
「とうま、何見てるの?」
テーブルに何やら資料を広げ、うんうんと頭を唸らせる上条を見て風呂上がりの銀色の綺麗な髪を拭きながら少女が尋ねた。
「おー、インデックス出たのか。いや、大した事じゃないんだけどな」
インデックスもなになに?といった様子でそれを覗き込む。
しかしそれを見た瞬間、インデックスは表情を少し堅くした。
「……とうま。また危ない事するの?」
インデックスという少女は、上条に危害が及ぶ事を特に嫌がる。
自身を救う為に何度も上条が傷付くのを見てきたし、その度に泣いた。
上条に対して、恐らくだが特別な想いを抱く彼女にとって、もう彼が傷付くのを見たくない。
「まぁ危険っちゃ危険なのか?」
上条が今まで経験してきた出来事……科学世界の事、魔術世界の事。
常人が決して味わう事のない危険な場面をいくつもくぐり抜けてきた。
しかしまぁそれに比べれば全然大した事に思えなく、むしろ「補習がなくなるならラッキー」くらいにしか上条は感じていない。
実際問題ジャッジメントの仕事は主に喧嘩の仲裁、迷子の保護、落とし物の捜索など。
それ以上の重大事件ともなるとアンチスキルの仕事になり、ジャッジメントは言わば風紀委員のようなものだ。
「これに受かれば上条さん補習免除なんですと」
「むー」
ぶっちゃけ上条にとっての学生生活は、一番出席日数がネックになったりする。
困ってる者を助けては怪我をして入院し、はたまた困ってる者を助けては怪我をして入院し……その繰り返しが溜まりに溜まって出席日数が実はかなりきわどい所まできていた。
進級する為にも補習免除という待遇はかなりの優遇だ。
毎週必ず補習があるというダメ学生ぶりにさすがに危機感を覚え、そろそろどうにかしなきゃいけないな、と考えていた矢先の事だったのだ。
後ろで少し機嫌悪そうにしているインデックスをよそに書き上げた書類をまとめ、鞄の中にさっとしまい立ち上がる。
「んじゃ俺も風呂行ってきますか」
そう言い、上条はこの日は一日の疲れを洗い流す事にした。
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