6: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/07/16(土) 02:41:31.12 ID:RoU1LS4DO
突然の大声に初春の身体はビクッと反応し、その方に視線を向けると、やはり道のど真ん中で高校生だろうか、今にも殴り合いが勃発しそうな雰囲気の二人がいた。
──ど、どうしよう……。
こういう喧嘩の仲裁も。
彼女が属するジャッジメントの仕事の内だ。
しかし二人を見るに明らかに初春よりも一回り身体の大きい男二人。
彼女の相棒である空間移動の能力者の少女であるならば余裕で捌けるのであろうが、しかし初春は非戦闘要員だ。
とても止めれる力を持っている訳ではない。
──うぅ……。
「テメーぶっ殺してやる!」
「あぁ!?んだと!?」
そうこう迷っている内にとうとう殴り合いが起きてしまった。
こういう場面を見るのも慣れてない初春にとって、目の前で起きている事は恐怖心を十二分に与える。
無理もない、まだほんの中学一年生の小さな女の子なのだ。
でも。
でも初春はジャッジメントである。
こういう場面に出くわせば、やはり止めなければなるまい。
彼女の仕事の相棒に電話などしている暇はない。
話し合いで解決できれば、それでいい。
恐怖心が先行してしまうが、それでも少し震える手で鞄からジャッジメントの腕章を取り出し腕に着けた。
「じゃ、ジャッジメントですっ!喧嘩はダメです!」
勇気を振り絞り、二人を止めようと近付いたのだが。
「うるせえよクソガキ!すっこんでろ!」
「あうっ……!」
一人にドンッと身体を押され、初春はその場に倒れ込んでしまった。
「いたっ……」
コンクリートに身体を叩き付けられたかのような衝撃。
ズサッと横から倒れた為に身体を庇った肘から少し血が出てきている。
見れば制服も少し破れてしまっていた。
「……っ」
頭は打ち付けなくてよかった。
しかし突然の事と痛みで視界が涙で滲む。
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