過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 00:55:50.58 ID:xm2Rv5pmo
少しだけ開いた隙間から腕が伸び、泉さんの手首を掴む。
蝋のように白く、痣のような青黒い斑点が散らばる、幽鬼のような左手。
そう、それが左手であったことすら、鮮明に脳に刻み込まれた。
その手が彼女を強く引き寄せ、顔や右肩が扉に強く打ち付けられる。
彼女の口から一条の血が垂れた。
室内に引き込まれようとする彼女は、左手で扉を掴んで抵抗する。
「やだ、やだ! 助けて!」
彼女の悲鳴で私は我に返った。
消火器を捨てて、彼女の右手を掴み脇腹を抱きかかえた。
全力で彼女を支えるが、その手から彼女を取り戻すことができない。
突然、胸部に激しい衝撃を感じると、景色が後ろに吹き飛んでいった。
床に強かに体を打ち付けられ、呼吸もままならない。
どうにか目線を向けると、私を蹴り飛ばしたその足が見えた。
手と同様で不気味な色の足には、指がなかった。
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