過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/31(日) 01:01:16.12 ID:xm2Rv5pmo

 彼女は悲鳴の残響だけを残して室内へ引き摺り込まれ、閉じられた扉からは鍵を下ろす冷たい金属音が響く。

 私はただ呆然と扉の前に座り込む。
掌にはすり抜けていった指先の感触がじんわりと残り、網膜には引き摺り込まれる瞬間の彼女の瞳の色が焼き付いていた。

 私の目は何も捉えない。

 ただ聴覚だけが鋭敏に反応していた。

 ドア越しに聞こえる彼女の叫び声。
ガラスの割れる音、固い物がぶつかる音。
彼女が抵抗する音。
そして物音が止んだ。
くぐもった声が、泣き声なのか悲鳴なのか知れない声だけが残る。
やがて声は小さくなり、消えていく。


 泉さんの、いのちが消えていく。



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