過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:21:30.42 ID:vyHZ93aso

 今や『それ』の空を飛ぼうとする試みは達成しようとしていると思えた。
翅の動きは既に目で捉えられる速度を越え、十万の蛾が羽ばたいたような低音を発している。

 視界の隅からゆっくりと、みなみちゃんの姿が消えていった。
以下略



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:22:33.89 ID:vyHZ93aso

「……お姉ちゃん……」

 止まない耳鳴りの向こう、背後から押し殺すようなつかさの声が聞こえた。
視線は決して『それ』から外さないまま、その声に耳を傾ける。
以下略



141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:23:54.13 ID:vyHZ93aso

「ゆきちゃん……お願い、一緒に……」

 ひときわ大きな羽音をあげて、『それ』が飛び上がった。
空の飛び方を確認するように、ふらふらと宙を動き回る。
以下略



142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:26:21.32 ID:vyHZ93aso

 『それ』は二人目がけて一直線に突進する。

「ゆきちゃん……」

以下略



143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:26:54.60 ID:vyHZ93aso


(助けて、かがみ)




144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:27:38.34 ID:vyHZ93aso


 こなたの声が、聞こえた気がした。




145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:28:49.60 ID:vyHZ93aso

「――――――ぁぁぁぁぁぁあああああ!」

 弾かれたように体が動いた。
二人を追い越して床に落ちた枕を拾い上げると、大きく振りかぶって飛んでくる『それ』目がけて振り下ろした。
以下略



146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:30:24.94 ID:vyHZ93aso

 やがて『それ』がぴくりとも動かなくなると、私は一つ大きく息を吐いてその場に座り込んだ。

 両足の感覚は消え、左肩が鈍く痛む。
ひび割れた唇の端が切れ、乾ききった口の中には濃厚な鉄の味が広がる。
以下略



147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/01(月) 18:32:44.99 ID:vyHZ93aso
 本日は以上です。

 #4終えれてよかった、それに尽きる。

 つーわけで次回はたぶん5日深夜になるはずです。
以下略



148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2011/08/01(月) 19:01:23.65 ID:ExnD/RNAO

こういう話は苦手なのについ読んでしまうな


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