過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
↓ 1- 覧 板 20
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:01:20.67 ID:IlYow/uGo
かたん、と金属音が響き、全員が一斉にその音の出所を見すえる。
滑るように開いたドアの向こうからみなみちゃんが、寝巻きだろうか、動きやすそうなジャージ姿で現れた。
ほんのりと上気したまっ白な肌と、色気のかけらもない服装のミスマッチがなんだかとても愛らしい。
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:02:55.10 ID:IlYow/uGo
「あの……あ、かがみさん……大丈夫ですか?」
「あ、私? えっと、うん、大丈夫。ありがとう、みなみちゃん」
「いえ、そんな……あの、私もご一緒したほうがいいですか?」
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:05:12.33 ID:IlYow/uGo
「……さて、と。そんじゃ続き始めっかー」
一人言のようにつぶやき、日下部は体を伸ばして腰の骨をゴキゴキと鳴らした。
しかし、何気なく振る舞う彼女の顔には、くっきりと憂鬱の陰が落ちている。
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:06:31.73 ID:IlYow/uGo
茶化すような笑いを打ち消して、日下部はみゆきに疑うような鋭い視線を投げつける。
「……いいのか?」
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:08:56.46 ID:IlYow/uGo
「わりい! そんじゃメガネちゃんあとよろしく!」
彼女はカバンから手早く着替えを取り出して、浴室へ、さきほどみなみちゃんが開いたドアをくぐっていった。
それと同時に峰岸が立ち上がり、ちょっとごめん、と一言残して同じドアの向こうへと消えていく。
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:11:45.57 ID:IlYow/uGo
つかさのそんな姿を見るのは初めてかもしれない。
つかさをそうさせるもの、私はこれからその深淵に乗り出そうとしている。
つかさを変え、日下部を退かせ、そしてみんなを苦しめている現実。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:12:25.48 ID:IlYow/uGo
…………
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:14:09.30 ID:IlYow/uGo
蛇口を力いっぱい下ろすと、シャワーから痛いくらいお湯が吐き出される。
頭から被ってしまえば、何も見えないし聞こえるのは水が肌にぶつかる音だけ。
身震いと共に嘆息が漏れる。
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:15:55.36 ID:IlYow/uGo
(……そこに……現れたのは……)
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:18:10.63 ID:IlYow/uGo
( 泉さん、でした )
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/10(水) 00:20:11.22 ID:IlYow/uGo
(いえ、きっと正確には……泉さんの姿をしたもの、です)
(『それ』は、平然と化物の間を歩いてきて……言ったんです)
324Res/151.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。