過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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218:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:40:55.63 ID:wGCdZCC0o

 掛ける言葉も見つからず、惰性で足を運ばせてバスルームを覗きこむ。
湯気と熱気にあてられて狭まる視界の中、異変はすぐ私の眼に飛び込んできた。


 純白の空間の中に、その歪な体が浮き上がっていた。
洗剤の2Lボトルで半身を叩き潰されてなお、それは棘の生えた太い脚を蠢かせている。
頭から胴体が潰れているせいで定かではないのだが、それは数十センチはあろうかというバッタのようだった。
弱々しく二本の太い脚で床を蹴って、浴室の壁に体を押し付け続けている。
壊れた機械のように何度も、何度も。
その度に胴体から延びた、まるで機能していないような、無数の細い脚が一本また一本と抜け落ちていく。
抜け落ちた脚はすぐに、転がったシャワーヘッドから噴き出す水の流れに乗って、排水口へと吸い込まれていった。
水はそれに触れると黒く濁った。



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