過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その３ -SS速報VIP

過去ログ - 真・恋姫無双【凡将伝】その３

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28:一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo.[saga]
2011/07/19(火) 23:42:36.99 ID:0Fijfm8qo
さて、賊を殲滅した俺たちは陳留に帰還した。
凱旋した俺たちは催された祝賀会場で勝利の美酒に酔って・・・などいなかった。

「そんな暇あるわけないでしょうが。
　それにあんなの勝って当たり前の雑務でしかないわよね。
　あんたって本当に極楽とんぼね。
　袁家って全員こんなにおめでたいのかしら？
　ああ、もう！私は忙しいんだからこれ以上付きまとわないでちょうだい！」

蔑むような目つきで言いたいこと言いながら軽く駆け足で去っていくネコミミ。
んー。
袁家ってことあるごとに宴席だー祝賀だーとやってるからなあ。
いや、飲みニュケーションって大事だと思うのよね。

いいもーん。一人祝賀会するもーん。

「その時彼女は言ったんだよ。『苦しいときは私の背中を見なさい』ってな」
「へー、かっこいいですね、その方」

世界の頂点を掴んだレジェンドだからな！

ニコニコと流琉がお酌をしてくれる。
最近厨房に立つことも増えてきたそうだ。
いやあ、めでたい。順調だねえ。
まだまだ雑用がメインらしいが、夢に向かい交差点を渡る、途中の人はいいね！

「でも、また来てくださってうれしいです！」
「いやいや、約束は守るよ」
「ありがとうございます！」

やっぱり流琉は元気なのが一番だ。

「流琉ならそのうち本当に自分のお店出せるさ」
「ありがとうございます！
　一生懸命お金ためてるんですよ。
　しばらく頑張ったら屋台くらいは出せるかもしれません。
　あ、お金借りて屋台も借りないといけないでしょうけど」
「そりゃすごい」

頑張ってるなあ。

「屋台にしろ、出すならやっぱあの町？」
「はい。やっぱり手がかりはあの町にしかないと思うので・・・」
「んー、ちょっと洛陽に行くついでに寄ったけどかなり荒んでさびれてたぞ」
「はい・・・」

とは言え、しゃあないよなあ。

「ま、当分先ではあるだろうしな。
　そのころには、多少は状況もよくなってるさ」

なんとか、せんとな。

「まずは、ここで厨房に立って経験を積むことさね。
　多数のお客さんに料理を出すのは大変だからなあ」
「はいっ！がんばります」

いやあ、いい子だねえ。
正直お持ち帰りしたいところではある。

「頑張るのはいいけど、無理はせんようにな」

流琉に多めにチップを渡して店を去る。
あの子にはなんとか平和に暮らしてもらいたいもんだ。

あ。

「はぐれたっちゅう知り合いの名前聞くのまた忘れた」

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