過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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38: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/07/22(金) 02:48:37.44 ID:lvNVTI/v0
 
「この後ろの3匹は"未報告"の隠し玉かな?」

 この学校では教員側が生徒のポケモンの成長や使い方などを把握する為に基本的に生徒側の所持ポケモンを把握している。
 先程の戦いで先生がシズクの「3匹しか持っていない」という発言を了承したのはシズクがポケモンを3匹しか登録していないからである。
 もちろん、この登録はあくまで学校側の支援を得るためのシステムで強制という訳でも義務がある訳でもない。

「ううん、この後ろのボール3は空なのっ! 捕獲用のストック!」

 手をばたばたと前で振って、わざとらしく断りを入れるシズク。
 しかし、それがウソだとジルには一瞬で分かった。
 そのシズクの様子を見て真剣な顔になる。

「嘘をついちゃーいけない」
「へ?」
「一つは、普通のモンスターボール。そして、もう一つの灰色のは、ハイパーボールだ……」

 シズクのベルトの後ろにつけられたボールを軽く指差し話を続ける。
 それと同時にシズクの表情も少しづつ引きずってくる。

「俺の記憶が正しければ、最後の一つの"紫色のモンスターボール" そいつは、確かタマムシの事業で開発され生産が見送られた品物。
 トレーナーとしての道徳性を否定するという理由から、俺達の時代には存在しないボール……"マスターボール" なんじゃないのかい?」

 その真剣な一言に少し身構えるシズク。

「まぁ、そのボールには興味あるけど。君が、それで何を捕まえたかなんてどーでもいいんだけどな!
 言っただろ? どちらかと言うと俺はアイテムに目が無い男なんだよ」

 ははっと軽く笑って重苦しい雰囲気を自ら振りほどくジルであった。
 それを聞いて少し胸を撫で下ろし小さく息を吐くシズク。

「どういうことですの?」
「ぇ!?」

 いつの間にかシズクの後ろにはルリカの姿があった。
 何処からかは分からないが、二人の会話を聞いていたようだ。
 腕を組んで少し怒っているような感じの表情で二人の会話に割って入る。

「ルリカさん……!?」
「つまり、何ですの? ポケモンをちゃんと4匹持っているのに私との対戦では出さなかった! そういうことですの?」

 3匹しか居ないという理由で早く試合を終わらせたシズクが気に入らない感じであったルリカ。
 そのことに加え、さらに4匹目以降を持っていたという事を知りさらに御冠の様子である。

「あちゃー」
 
 ジルとピカチュウが一緒に"やっちゃった"と言わんばかりの反応を見せる。
 腕を組んでいたルリカはすぐにその手を解いてシズクのベルト後方のボールを素早く一つ奪い取る!

「あっ!」
「ふーん、ここにいますの? この子を使っちゃ、私に勝ち目がないとでも仰りたいのかしら?」
(うぉ……よりによって"マスターボール" !!)

 手の上にで奪い取った紫色のボール、マスターボールをぽんぽんと軽く投げて強気な視線を見せるルリカ。
 それを見て少し歯を食いしばって困った感じの顔をした後に、すぐに表情が緩くなるシズク。

「何言ってるの? そのボールは、空よ」
「あら……?そうなの」

 シズクが見せた強気な態度にルリカは開閉スイッチのボタンを押してボールを手から落とす。
 ボールは手の平を滑り落ち1回2回とゆったりと回転して地に着いた……


続く……
 



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