過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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58: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/07/25(月) 01:23:59.32 ID:kAyhrg/K0
第11話


 "はっけい"(発勁)
 デンリュウに命中する大きな一撃! 一瞬にして前に倒れこむ……

「デンリュッ!!」

 瞳を大きく広げて驚いた表情を隠せないルリカ。
 それもそのはず、ボールから飛び出すとシズクの指示も受けずに急接近して技を繰り出したからだ。
 誰の目から見ても明らかな"ダウン"

「デンリュウッ!! デンリューッ!!」

 少し離れた位置から似合わぬ大きな声で何度もデンリュウの名を呼ぶルリカ。
 その様子が何処か健気で寂しげで、ジルは独断でその試合の終了を告げようとした……

「……」

 するとデンリュウは静かに立ち上がって、再び構えて見せる。

「ダメ……」

 比較的にシズク側の近くにいるリオルとデンリュウ。
 立ち上がったデンリュウの瞳を見て訴えかけるようにシズクが呟いた。

バタンッ!

 その声が届いたのか立ち上がったデンリュウは一瞬にして意識を失い再び倒れこむ。

「"ダウン"ですわ」

 と小さく息を吐いて一歩、二歩とデンリュウに向かってゆっくりと歩いてくる。

「デンリュウ、ダウン!! 勝者、シズク!」

 パッと左手を挙げてシズクの勝利のコールを行う。
 すると、すぐさまジルはデンリュウに駆け寄るように近づいた。

「"はっけい"は麻痺を引き起こす技、あの距離でヒットしたんだ……」

 デンリュウに触れて、状態をすぐに判断する。

「お疲れですわ。デンリュウ、頑張りましたわね」

 倒れたデンリュウの頭を2,3回撫でてモンスターボールに戻す。

「良い子だね。デンリュウ」

 シズクが呟く、一度倒れて立ち上がった時点でシズクはデンリュウが麻痺を患っていた事に気づいていた。
 トレーナーであるルリカの声援に応えようと無理に立ち上がったのがシズクには分かったようだ。

「おい、ダメダメちゃんのシズクが炎熱ルリカに勝っちまったぞ」
「いや……そんなことより、何だったんだ? あのイーブイはっ?」
「それも気になるんやけど、あのリオルの行動の早さは何やったんや?」

 試合を見ていた他の生徒たちが自然とざわつきだす。

「参りましたわ、シズクさん。タダ者では無いと……気にかけてはいましたが、これほどとは」

 らしくないシズクを褒めるような言葉。シズクは少し照れくさそうに笑顔を見せた。




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