過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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61: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/07/25(月) 20:20:01.57 ID:kAyhrg/K0
第12話

「仕事を済ませようか」

 大柄な男は不敵な笑みを浮かべ言い放つ。
 自然と身構えるシズク達3人、そして囲む他の生徒たち十数名も同じく集中する。

「はっは……とりあえず、自己紹介だ。俺は"ガルド=ラインハルト"
 そこの後ろにいる物静かな奴は"ウル=ディ=ヴェルチ"だ。まぁ、コードネームみたいなもんだがな」

 自身を示し、続いて細見の男を指差して話を続ける。
 この緊迫した空気には似つかわしくない饒舌な喋りに逆に緊張感が高まる。
 ガルドは首を左右にゴキゴキと音を鳴らせながら曲げた後、小さく息を吐いた。

「さて……本題だ」
 
 他の人間の顔を見渡すようにして続く。

「お前達のポケモンを全部、頂くぜ?」
「なっ!?」

 驚いたような反応を見せる多くの人間に「やっぱりか」と言わんばかりの表情を見せるジル。
 
「そうはいきませんわ!! 私達ポケモントレーナーが、大切なパートナーを簡単に手渡すとでも思っていますの?」

 ルリカだった。
 一歩前に踏み出して堂々たる態度で言葉を飛ばす。
 その一言に「そうだそうだ」と言わんばかりにギャラリー達もざわついた。

「わかんねー奴だな。別にこの学校を俺達二人で占拠した訳じゃねぇー……
 これだけの人数がいる部屋だが、二人で充分だと判断したということが……!」

 一瞬のプレッシャー

(二人でここにいる全員を相手できると自負しているって訳か悪党とはいえプロフェッショナル、学生が立ち打ちできるのか)

 身構えるように腰のベルトのボールに手をかけるジル。
 その様子に気付いたのかガルドは再度不敵な笑みを浮かべて自らもボールを手に取った。

「それなら少し遊んでやろうか?」

 ジル、ルリカ、ガルドの視線が交わる。
 バトル勃発かと思われた矢先、今まで無言で立っているだけであったウルが一歩前に出る。

「学生風情の雑魚ポケモンに興味は無い」

 刺さるような冷たい視線、ボールを投げようとするガルドを静止してジルとルリカに言い放つ。

「なっ?私達のポケモンが雑魚ですって?」

 するとウルは静かに腕を上げてジルとルリカの後ろに立っているシズクを指差した。

「蔵書庫にあった文献で読んだことがある。旧ロケット団が、改造ポケモンとして開発した属性変換能力を持つ"イーブイ"
 タマムシのジムリーダー"エリカ"に引き取られ、その後旧ロケット団を壊滅させたマサラの"レッド"というトレーナーの手に渡ったと……」

 探りを入れる視線。
 シズクは図星を突かれたかのように瞳を大きく開け驚いた表情。

「当初、"3つのエネルギー"を持っていたポケモンだが……"昼""夜"幾度となく生活を繰り返せば、あるいは……」
 
 他の人間を完全に無視して喋り続けるウル。
 どうやら彼の興味はシズクのイーブイにあるようである。

「なんだ〜? そいつが持っているイーブイは、やっぱり珍しい奴なのか?」
「あぁ」

 ポケットに手を入れたまま余裕の態度であるウル。
 
「それなら話は簡単だ。お前……イーブイだけで良い! 他の奴等のはいらない」

 シズクを指差してガルドが大きな声で言い放った。



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