過去ログ - 【ポケモンSS】タイトルは決まっている
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83: ◆.Br/vY/Hx.[sage]
2011/08/03(水) 23:36:18.27 ID:R1Cqr+Yi0
第18話
第二章 

第18話


 トキワシティの学校、強襲事件は次の日にはカントー地方の全ての町に伝わっていた。
 ニュースや新聞等で取り上げられたが、そこに"RR団"を撃退したシズクの名は一つも報道されなかった。
 取材や報道が駆け付けたにも関わらず、あまり乗り気で無かったシズクを気遣ってジルが一つ手を打ったからだ。

「んー……ポケモンの中には石の力で進化を誘発する者もいる」
「そうだな。市販されている物から中々手に入らない物もある」

 今回の事件を経て、捜査の為か学校は一週間の間休校となった。
 その間にいくつかの課題が学校側から出されたのだろう……

「ぁ、イーブイだ」

 ここは"マサラタウン"に構える大きな研究所内の一角
 学校には他の町から来る人の為に寮が設けられている
 
「お前ここに住んでるのか?」
「んーん、ここに泊まる事もあるけどトキワシティの寮もあるし……転々としてる」

 一つのテーブルを囲んで教本を持って頭を抱えるシズク。
 そう、シズクはある理由があって親元を離れこの研究所に預けられている。
 預かった主の意向で、シズクはトキワシティの学校に通う事になった訳だ。

「へぇ、石があれば簡単に進化できるのかな」

 シズクの足元で丸くなって眠っているイーブイの頭を軽く撫でる。
 そう、現在その課題をこなす為に勉強中なのである。

「進化論のレポートなんて適当に書いておけばいいんだよ。俺のピカチュウは雷の石で進化するようです……みたいに」

 適当に手に持つシャーペンをクルッとまわしてレポート用紙にスラスラと文字を並べるジル。
 テーブルの上でピカチュウがごろごろと転がっている。

「う〜、でもどう書いていいか良くわかんないし」
「ふっ……そんな事もあろうかと優秀な助っ人を呼んでおいたぜ?」

 難しそうに頭を抱えるシズクに対してジルが腕時計を見ながら笑みを見せる。
 それとほぼ同時に研究所の扉が開いた。

「あら……本当に、こんな有名な研究所を自宅みたいに……」

 ルリカである、その足元には元気なガーディとヒトカゲの姿。
 白衣に包まれた数名の研究員が色々と調べ事や仕事をしている最中
 一つのテーブルをポケモンとシズク達が囲んであーだこうだやっているのに少し驚いた感じである。

(あの事件の後、ルリカさんとは少し仲良くなった。学校で色々話たかったけど……運悪くすぐに休校だったしね)

 笑顔で「こっちこっち」と手を振るシズク。
 私服とは思えないちょっとドレスみたいな服に研究員も自然とルリカに目が行ってしまう。
 一歩、二歩と周りを見渡しながら近づき、椅子に腰かけるルリカ。

「ここに住んでますの?」
「ぇ……違うけど」

 二度手間なシズクは少し顔を歪めるが、その横でジルが笑っているのが分かった。
 ルリカはすぐに手に持ってたカバンから数枚のレポート用紙を取り出してテーブルに置く。

「実は、私……もう休み中の課題はほとんど終わらせてしまいまして……参考になればと」

 シズクが思っていた以上にルリカは良い人だった。
 少し照れくさそうに自分が終わらせた課題をぽんぽんとテーブルに上に並べて行く。

「さすがだぜ」

 早速それを手にとりペラペラと軽く捲るジル。

「ぁ……お茶入れてくるね。あとお菓子も」


―――




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