21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage saga]
2011/07/24(日) 15:22:13.84 ID:vQiMXLLI0
両目に火を灯したデュエルゼロなるモビルスーツ。連動してマニピュレーターが動き、各部が駆動し始める。
エンジンの回転によって小刻みに振動するコクピットの中、シグは不敵な笑みを浮かべていた。
「シミュレーターで囓っただけとはいえ……俺だって連合初のMSパイロットの名を腐らせるわけにゃいかないんでね!」
自らを鼓舞するように声を上げたシグが、フットペダルを蹴った。続いて操縦桿を引き、その巨大な四肢をゆっくりと動かし始める。
鉄のベッドに寝かされていたデュエルゼロが、戒めのボルトを弾き飛ばしながら、ゆっくりとその体を持ち上げていく。
デュエルゼロの動きはぎこちない。ハードは完成しつつあるGATシリーズだが、ソフト――そのオペレーションシステムはまだ稚拙なのだ。
「くそっ、まだ一機あったのか!?」
外部集音スピーカーが捉えたザフト兵の呻き声に、シグは苦笑を漏らした。
自分だって、GATシリーズがもう一機あるなんて想像だにしていなかった。
しかし、あるものはちゃんと使ってやるのが、それを作った者に対する敬意を表する手段と言えよう。
だから――、
「――やってやるぜ!」
操縦桿を左手で操作しながら、シグの右手はデュエルゼロの携行兵装リストを呼び出していた。
数個の手順の後、ディスプレイの脇に表示されるリストを流し見た彼は「うぇ」と間抜けな声を上げる。
頭部バルカンと、腰部にマウントされているビームダガー。この機体に装備されている兵装は二つのみ。
しかも、頭部バルカン――イーゲルシュテルン――には、実弾が込められていなかった。
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