過去ログ - 美也「にぃにお願い・・・・・・もう許して」純一「美也、僕のこと好きなんだろ?」
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(神奈川県)
[saga]
2011/08/14(日) 23:38:43.57 ID:qJb+UwA0o
灰色の空から小雨が降り続いていたその朝、美也は父親に連れられ父親の赴任地のロンドンに旅立った。
それは、美也がひどい目に遭ってから2週間後のことだった。
七咲と七咲の友達が助けてくれたおかげで、美也は彼らに犯されはしなかったけれど、それでも拉致されて裸にされ体を弄ばれた美也の心の傷は深かった
。
僕なら美也を慰められると思っていた。美也もそう考えていたんじゃないかと思う。
ふたりで一緒にいられるならこのままなかったことにできると。
だけど、さすがにこの出来事を秘密にできるわけはなく、警察がDQNたちとMOB子たちを補導。その後、校内には心無い噂も広がった。美也は被害者なのに
。
ただの強姦未遂じゃなくて、兄貴と愛し合ってる妹の事件ということで噂は普通より激しく囁かれたのだ。
学校側が両親に連絡し(警察からも連絡がいったらしい)、もう僕と美也で問題をコントロールできる次元を超えた状況になってしまった。
七咲が美也を僕のところに連れてきてくれた夜、美也は震えながら僕に抱きつくのを止めようとしなかった。
七咲が帰ったあと、美也をお風呂に入れて寝かそうとしたけど、美也は僕に「抱いて」って言ったんだった。まだ幼い体の彼女が受けた傷をリセットする
ためのように。
でも、その言葉どおりにしようとすると、いつもの美也と違い彼女の肌に僕の手が触れるだけで、美也の肢体は発作を起こしそうになるほどの激しい震えが止まらなかった。
自分の肌に触れようとする男への拒否反応。
・・・・・・結局、美也が旅立つまで僕が美也を抱くことはなかった。それでも美也は、僕が美也の目の届かないところに行くのを極端に恐れた。
美也の視界からちょっとでも外れようとすると美也はパニックを起こすのだ。
そんな症状もだいぶ治まってきて、そろそろ美也も学校に復帰できるんじゃないかと期待してた時。
両親が僕たちに「大事な話」をしにきた。
両親が美也の処遇を決定するのにたいした時間はかからなかったらしい。父さんと美也は父さんの赴任先のロンドンで暮らす。父さんはロンドン郊外の私
立の女子校への転入手続きを早々に終えた。全寮制の女子校なら心配ないということらしい。母さんは、次の夏休みに一緒に父さんと美也に会いに行こう
って言ってくれたけど、来年は僕も受験の年だ。そんな暇があるとは思えない。
美也は最初は両親の決定に抵抗したけど、母さんに僕の受験のことを持ち出され、結局両親の決定に従った。
それから美也がいなくなる日までの数日間は珍しく両親が常に家にいたため、僕と美也が恋人として一緒にすごすことはなかった。
美也を連れて行くために一時帰国した父さんと空港のゲートをくぐっていく美也。
何度も振り返り僕の名前を、迷子の少女が保護者の名前を呼ぶように、少し困ったように微笑んで、でもその目には涙を浮かべながら、僕の名前を呼んで
いた美也。
美也、美也、美也。
僕は美也に手を差し伸べる。
けれど、その手にふれることなく、、父親に手を引かれ、こちらを振り向きながら涙を浮かべる美也の姿が搭乗ゲートの奥に消える
母さんが黙って僕の肩に手を置く
母さんと並んで空港内を横切って電車の駅まで歩く
頭の中には何もなく、涙すら出てこない
切符売り場まで来たとき、薫と梅原が黙ってこっちを見ている姿が目に入った
薫が何も言わずに僕を抱きしめてくれた時、僕は初めて声を出して泣いた
あれから1年半。
母さんは以前と変わらず仕事が多忙で会社が用意したホテルで暮らしていて(そこにも寝る間くらいしかいないらしいけど)、滅多に家に帰ってこない。
大学生になった僕は美也のいない家から毎日大学の授業に出かける。
ドアを開け、誰もいないドアに向かい「行ってきます美也」と言い。
今でも、僕はこんなにも妹を求めている。美也に会いたい・・・・・・。
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