過去ログ - ダイブ イン ダンジョン
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10: ◆Q6CGh0.8HA[saga]
2011/07/24(日) 00:00:06.51 ID:PczzSqKSO
勢い良くギルドを出て、宿に向かって一直線に走っていた私の前に突然影が落ちた。

当然、身体は多少強張るだけでブレーキをかけようとはせず、そのままにぶつかってしまう。

村では猪娘と呼ばれた私の突進を咄嗟に耐えることなど出来ず、混ぜ合わせになって地面を転がる。ただし、ダメージは申し訳ないことに相手方が……

そう思っていたのだが、案外すとんと受け止められた。

背中に回る逞しい腕や服越しに感じる堅い筋肉で、直ぐに男の人だと分かり慌てて離れる。

「すす、すみません!い、急いでいたものでっ!」

「いや、お前を止める為にわざと前に出たんだ。悪かったな。怪我はないかい、勇者ちゃん」

「……はい?」

聞き慣れない言葉が私に向けられ、思わず間抜けな声が出てしまった。

優しい低音の声からは別段怒気など感じはしないが、もしや穏やかに怒る人だったりするのだろうか。

それで、無謀にも図に乗る田舎者を比喩して勇者だなんて。

そう思い、自分の爪先を一所懸命に眺めていた視線を上方へと流す。

金の短髪、鋭い鳶色の瞳、2mは有りそうな大きくがっしりとした身体、顔に走る雷を彷彿させるタトゥー。
私を受けとめたのはそんな人だった。


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