過去ログ - ダイブ イン ダンジョン
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26: ◆Q6CGh0.8HA[saga]
2011/07/26(火) 22:28:15.20 ID:bXKN1DVSO
いや、良い。私のお腹だ。結局は覚悟しても鳴ってしまうのだ。根っからの演奏家なのだ。

「……」

「……」

この超自然のお導きにより完全に勢いを殺されてしまい、二人して次の言葉を探して視線をあちらこちら動かす。

「あー……こ、これから宜しくな、勇者ちゃん」

彼は聞こえなかった、という選択を掴んだようだ。

「はい……宜しくお願いします……」

ならば、私もその時流に乗りたい……ところだったのだが、やはり恥ずかしさで声が尻すぼみになってしまった。

弱い。恥ずかしい。死にたい。消えたい。
誰か小娘一人が収まるような穴を掘ってくださいませんか。

「……やっぱダメだな」

俯き加減の私の頭上からそんな声がする。

蓋を開けてみればなんてダメな子なんだ。がっかりしたぜよ、と契約の解消に移るんだ、きっと。

「旅のパーティーの結成が、こうしみったれてちゃやれねぇよ。酒でも交わしながら豪快にいこう」
「え?」

「仕切り直しだ。まさか、考えが変わるとか言わねぇよな?」

彼は、失敗を犯して流されそうになる私の前に葦束をぶら下げてくれた。


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