20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/25(月) 17:48:16.70 ID:f3T3l2o10
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第二話「殺すのは最後にしてあげる」
「う…」
目を覚ますと、ほむらは自らの体が魔法のリボンに拘束されている状態に気づいた。
台に仰向けに縛り付けられている。
縛られたほむらの見上げる天井に、巴マミの顔がひょいと現れた。
いや、巴マミだけではなかった。
佐倉杏子や、美樹さやかまで……そして、驚いたのは、その二人はまだしも、以前の時間軸でまどかを巡った
対決を繰り広げることとなった、白い魔法少女・美国織莉子まで、その顔を覗かせていたことだ。
(……今度の時間軸では何が起こるというの……?)
困惑に目を細めたほむらにむかって、巴マミが告げてやった。
「麻酔弾よ」
佐倉杏子がその横で口にポッキーを咥えて光景を見物している。
「本物の魔弾使いたかったものだわ!」皮肉たっぷりにほむらの胸元を乱暴に掴むとマミが言う。
「まどかはどこ!?」ほむらが怒鳴り、身を起こそうとしたが、拘束するリボンにそれを阻まれた。
すると次は、魔法少女狩りの黒幕、美国織莉子が顔をだしてくると、静かな口調で語りかけてきた。
「私を覚えているかしら?暁美ほむら」
「誰が忘れるもんですか…」
ほむらは怒りを目にたぎらせて、言い放った。「あなたのせいで、どれだけの魔法少女が殺されたか…」
「暁美ほむら」
織莉子が穏やかな声で告げ、たしなてきた。「貴女には、この見滝原の置かれた状況が、全く理解できていない…
この町には冷徹までに厳正な正義で死滅から救い導く、そんな魔法少女が……必要なのよ」
「そうしてまたまどかを狙うというの」ほむらの顔が怒りに燃える。
前回の時間軸で、この魔法少女にまどかが殺された。ほむらはその恨みを忘れてはいない。
「未来をみた私は」織莉子が答えた。「世界が破滅してしまう運命を知った……その最悪の絶望が
何であるかも知った…そしてあの絶望がなぜあれほどまでに最悪なものに育ったのかも知った…」
織莉子は拘束されたほむらのアゴに指先をつきつける。
、、、、、、、
「あなたが育てた。あなたがあなたの都合で時間を好き放題にまき戻され、繰り返され、
その度に最悪の絶望が育てられ、この世界の破滅を助長している……それを話したら見滝原の魔法少女は
みな私に力を貸してくれたわ」
そう語る織莉子の後ろに、さやかや杏子が並び立つ。
どうやら彼女らはこの時間軸では、最悪の魔女の脅威をきいて、みんなそれを阻止しようとする織莉子に
なびいてしまったらしい。
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