8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/07/24(日) 16:31:57.40 ID:cCeqzXxK0
「だれなの!?」
まどかが吹き荒れる強風の中を、両手で頭を守りながら叫んだ。「家に入るなら玄関から入ってよぉ!」
「てめー!」
詢子が叫び、侵入者に対し怒りを露にする。「なんてことしやがるんだ!タダじゃすまさねーぞ!そのヘリをよこしな!」
「うるいさわね」金髪の少女がマスケット銃を詢子にむけると、引き金を引いた。
マスケットの銃弾は詢子の脳天を一発で貫き、頭から血を飛び散らせて詢子はバタリと倒れた。
「そこに寝てなさい」金髪の少女が一言付け加えた。
「ママ!」
まどかが悲痛の叫びをあげ、涙を溜めた目を見開いた。目の前で起こっていることが信じられない。
混乱の極地に達しようとしている。それに、今の声は…。
「鹿目さん。わたしに着いて来てくれる?」
聞き覚えのある声がまどかを呼ぶ。まどかは恐怖に駆られ、本能的に逃げようとした。
でも恐怖が身体にすっかり浸透してしまって、震えるばかりで動かない。動けない。
侵入者の足音が近づいてくる。「どうしたの鹿目さん?それじゃまるで生まれたての小鹿よ」
「やだ……誰か……助け……!」目に涙を浮かべ、身体を震わせながら必死に助けを求めたまどかのもとに。
「まどか!」
まどかの祈りが通じたのか、彼女を助ける何者かが現れた。
いつの間にやら誰かの腕に抱かれ、洗面台のガラス部屋を抜け出していたまどかは、その抱きかかえた何者かの、
長く艶やかな黒髪を見た。
「ほむら……ちゃん?」
まどかに迫る危機に颯爽と現れた”暁美ほむら”──つい最近、見滝原中学に転校してきた彼女のクラスメートは、
魔法少女の制服姿で、まどかを腕に抱えて、家の廊下を走っていた。
「ベッドの下に隠れて!」
ほむらは、まどかを彼女の部屋まで連れて行くと言い、彼女を降ろした。
「そんな……ええ?」
いきなりすぎる事態にまだ頭の収拾がついていないまどかは、混乱するばかりで動こうとしない。
「はやく!はいって!」
ほむらはそのまどかの背中を、無理に部屋へ押し出すと、前につんのめったまどかがようやく
ベッドの下に身を潜らせた。
それを目で見届けたほむらはドアを閉め、腕の円形シールドからミニミM249機関銃を取り出すと、
鹿目宅の廊下を慎重に進んだ。
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