過去ログ - 上条当麻「魔法少女には絶望しか残ってないっていうなら――!」
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942: ◆J0nZQhi5n4XG[saga]
2011/11/20(日) 23:20:58.36 ID:o94M6vyM0
今までぎりぎりのところで抑え込んできた気持ちを、いま鹿目は吐き出していた。
本当は嫌だった。美樹や上条が、昔からずっと、自分のために無茶をしているのが。
自意識過剰とかそんなものではなく、自分が守られてばかりであるという自覚がある。
そして今では、暁美も巴も佐倉も。
皆、自分ばかりが傷つこうとする。その度に彼女がどう思うかなんて、考えもせずに。
それが我儘だと分かってはいても、それでも鹿目は上条に対して怒鳴らずにはいられなかった。

まどか「ほむらちゃん達は魔法少女だけど、当麻くんはただの人間なんだよ! 攻撃されたら、死んじゃうんだよ!」

まどか「勝手に突っ走って、毎回大怪我して帰ってきて……もう嫌だよ! さやかちゃんも当麻くんも!」

当麻「まどか、大丈夫だから」ギュ

まどか「当、麻……くん」

今にも力が抜けてぶっ倒れてしまいそうな身体を引き摺って、上条は鹿目を抱き寄せた。
美樹は知ったうえで無茶を続けてきたのだろうが……上条が、皆に心配をかけているという事実に気付いたのは、
本当の意味では今この時であると言える。
昔からずっと隣にいた鹿目がこんな事を思っていた。
それに気付けなかったという事実が、彼には許せなかった。
それでも、譲れない。
彼は、それでも巴らのもとへ向かわなければならない。

当麻「我儘だって分かってる」

当麻「今の俺が行ったって足手まといだとも分かってる」

当麻「それでも俺は――マミさん達を助けたい」

当麻「マミさんを助けたい。ほむらを手伝ってやりたい。さやかを支えてやりたい。師匠に背中を預けられたい」

当麻「ただの、幼稚な我儘だ」

恭介「……言っても、無駄か?」

当麻「無駄だな。止めるならまずお前からぶっ飛ばす」

恭介「やめてくれ、死ぬ。……はぁ、全くもう」シュウウッ

当麻「鎮静効果……か。サンキュ、大分楽になったぜ」

恭介「そうか、安心した。その調子で僕らを守ってくれ」

当麻「……はぁ?」

恭介「当麻が無茶して突っ込まないための保険だよ。ちゃんと非戦闘員の僕らを守ってくれ」

まどか「そっか、当麻くんの能力はもともと防御向きだもんね……もう、良いよ。当麻くんなんて知らない」

まどか「勝手に突っ込んで、勝手に大怪我してればいいんだ」

まどか「でも、ちゃんと帰ってきてくれたら、それで許すから。絶対死なないで」

当麻「……ばーか、死ぬわけねーだろ」

今改めて、上条は誓った。
このかけがえのない、か弱くて、しかしそれでも芯の強い親友たちを、この命に代えても守り抜いてみせると。
まあ結局、結界深部に突入した上条当麻は、早速職務を放棄して暁美ほむらを庇いに行ったのだが。


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