過去ログ - 上条当麻「魔法少女には絶望しか残ってないっていうなら――!」
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それがたとえ束の間の幸せだとしても
◆J0nZQhi5n4XG
[saga]
2011/11/25(金) 23:24:28.18 ID:zW6ZGBqw0
「俺は、マミさんのことが……ずっと、ずっと前から……好き、でした」
「……!」
「よ、よろしければ! どうか俺と付き合って下さいっ!」
そう言って手を差し出す。うわ古典的。何やってんだ上条さん。
もう緊張しすぎて自分で何やってるか分かんねえ。
思考がぐるぐる回って混乱に陥りかけたとき、マミさんが俺の手を握った。
優しく、それでいて確かな温もりが手を通して伝わる。
「私も……ずっと、上条くんのことが、好きでした」
……ヤバい。泣きそうだ。
薄々勘付いていたとはいえ、それが確かな言葉となって伝わったことが、嬉しい。
あのマミさんが、俺なんかを。
俺も顔を上げて、何か気の効いたことを言わないと……そう思って、ぎゅうと瞑っていた目を開くと。
喫茶店が、歓声に包まれた。
「お幸せに!」とか「よく言った!」とか。
……うわ古典的第二弾。マジでこんなことやらかすとは思ってなかった。
テンパりすぎて喫茶店出るの忘れてた! 不幸だ! 久々のマジ不幸だ!
マミさんも顔を真っ赤にしてパニック状態に陥っている。
俺は咄嗟にマミさんの手を握りしめて、席を立った。
「すみません会計お願いしますこれで足りてますよねお釣り要らないです不幸だー!」
あらぬことを叫びながら全速力で喫茶店から逃げ出す。
ざっと百メートルくらいは走り続けただろうか。
その間、手は繋ぎっぱなしだった。
「はぁ、はぁ……あーもう、何やってんだか……」
「はあ、はあっ……もう、上条くんったら……恥ずかしかったじゃない」
「面目次第も御座いません……」
全く締まらない。
とはいえこれはこれで、上条さんらしいんじゃなかろうか。
マミさんにはもう本当、申し訳ない事をしてしまったが。
……ん、あれ?
「ん? どうかした、上条くん」
「いや……さっきあそこの交差点に、暁美の奴がいたような気がして」
「暁美さん……そう言えばあなた達の進学以来、会ってないわね……鹿目さんとも最近は会ってないし」
「……あいつらにも、教えてやらないといけませんね」
「ふふ……私達、付き合い始めましたー! って?」
「ええ。出来れば土御門も呼んで、ぱーっと」
そう。これからのことを考えよう。
俺達は、幸せでなければならない。
恭介を、さやかを、師匠を。救えなかった俺達がいつまでもめそめそしていては、
あいつらも安心して成仏できないだろう。
だからまた、この機会に皆で集まって、とびっきりの笑顔で墓参りに行ってやる。
それが俺に出来る、精一杯だ。
たとえそれが束の間の幸せだとしても、
俺達はその束の間のために生き続けるのだから。
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