過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/07/27(水) 12:37:34.22 ID:A3KqYXYqo

――屋上

さやか「ねぇまどか、願い事決まったー?」

まどか「ううん、全然。さやかちゃんはどう?」

さやか「あたしもぜーんぜん。なんでだろーなー。いくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ
.     欲しい物も、やりたい事もいっぱいあるけどさ。命懸けって所で……
.     やっぱ引っ掛かっちゃうよね。そうまでする程必要なもんじゃねーよなー……ってさ?」

 屋上へと通ずる入り口に立ち、会話を盗み聞きしながら、もしも自分がその立場に居たならどうするかを考える。
 存外、そういうときに限って願いとやらは思い浮かばない。今の彼が去年までの彼なら違っただろうが。

さやか「まあきっと、私達がバカなんだよ」

まどか「え、そうかな?」

さやか「そう、幸せバカ。珍しくないはずだよ、命と引き換えにしてでも叶えたい望みって
.     だから、それが見つからないあたしたちって、その程度の不幸しか知らないってことじゃん」

ステイル(幸せバカ、か……別に恥ずべきことじゃないんだけどね)

 生まれながらに不幸な青年の顔を思い浮かべ、彼ならその不幸を取り除くよう願うだろうかと考えてみた。
 しかしすぐにそのおかしさに気付き、鼻で笑って誤魔化した。タバコを咥え、ライターで火をつける。
 大きく吸い込み、肺が煙で満たされる。それからほうっ、と煙を吐き、ふたたび思考を巡らせた。

ステイル(……あの男が、不幸を取り除くように? いやいや、自分で考えててなんだけど、馬鹿馬鹿しいね)

 彼は確かに不幸だ。
 その不幸故に多くの人間――“あの子”のことも――を助けてきた。
 そして彼はそれを誇りに思っている。
 直情的で、バカで、無茶苦茶で無鉄砲でろくでなしで間抜けで独善的だが――彼は、そういう人間だった。

ステイル(日頃から不幸だなんだとと嘆いてるくせにそれを喜び、幸せだと言い張るなんてね……まぁそれはいいとして)

ステイル「……そろそろ出てきてらどうなんだい?」

 ややあって、すぐ近くにある階段の影から暁美ほむらが姿を現した。

ほむら「……」



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