過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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635:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/08/17(水) 01:33:03.37 ID:ae63cLlCo

 本心を隠したまま、悶々と日々を送る内に恭介が事故に遭った。
 彼を献身的に支えるさやかの姿を見た。自分の立ち入る余地など一片もないと彼女は改めて気付いた。

 その彼女が己の意見を180度変えて、自身の思いを打ち明ける決心をしたのはほんの数日前のことだ。

 集団幻覚――魔女の口付けによる洗脳――に遭い、体に残った痺れ――妹達が鎮圧した際の負傷――に伴う、記憶の欠如。
 それらは彼女に恐怖を与え、同時に心の奥深くに後悔の念を刻み込んだ。何も伝えぬまま終わってしまう、恐怖と後悔。

 何もしないままで終わることと、何かをした上で終わること。彼女は後者を選択した。
 本来であれば、それは喜ぶべきことなのかもしれない。どんな理由であるにせよ、彼女は自らに付き纏う悪癖に打ち勝ったのだから。
 ……恭介から逃れるように立ち去ったさやかの姿と、彼女に異姓に対するそれを抱いていない恭介の姿に。
 多少なりとも打算めいた物を抱いたのも、事実ではあったが。
 いずれにせよ、彼女は行動に移した。大事な親友を捨て去ってでも、想い人を勝ち取るために。

『上条恭介君のこと、お慕いしてましたの』

 そんな告白をさやかにしたとき、仁美は『もう二度と彼女と肩を並べる日は来ないだろう』と覚悟していた。
 だから、転校生ことステイル=マグヌスの空気を読まない提案に、心のどこかで安堵していなかったと言えば嘘になる。

 気まずいことに、かわりはなかったが。



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