過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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751:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/08/23(火) 23:18:42.04 ID:hjeVn6zLo
杏子「なんだこりゃあ……」

 異形と呼ぶに相応しい空間の中で、杏子は目の前に佇む巨大な魔女を睨みつけた。
 魔女の上半身は西洋の物語に出てきそうな騎士のそれで、その下半身はおとぎ話に出てくる人魚の尾で構成されている。
 羽織ったマントをなびかせ、首下に結ばれた可愛らしいピンク色のリボンがふりふりと揺らしながら。

 しかしその背にはまるで過ちを戒めるかのごとく巨大な十字架を背負い、両手も打ち付けられている。
 十字架ごと身体を右に左に揺り動かしながら、辛うじて動く剣を持った右手首を楽しげに振りかざす。
 魔女が形容し難き声で叫んだ。その目の前を、ぐったりとしたさやかの身体が重力に従って落ちていく。

杏子「チッ!」

 音もなく変身し、どこからか現れては高速で迫り来る車輪を紙一重で避けきり彼女を抱きとめる。
 その姿勢のまま杏子は車輪の一つを蹴り飛ばして反転。華麗に着地を決め込むと、槍を片手に魔女と対峙。

杏子「なんなんだよテメェ、さやかに何しやがった!?」

 荒ぶる杏子の死角から車輪が迫る。
 だがその車輪は杏子にぶつかる前に、どこからともなく飛び込んできた別の車輪とぶつかって弾け飛んだ。

杏子「ああ? 同士討ち……いやこれは!」

 杏子の視界の隅に、二人の修道女がいた。先ほど会った天草式の仲間を名乗る連中だ。
 その修道女の一人、ルチアは倒れている恭介の下へ駆けつけながらもう一人の小柄な修道女、アンジェレネを見た。

ルチア「シスターアンジェレネは防御を! 私はあの少年を拾います!」

アンジェレネ「は、はい! きたれ、十二使徒のひとつ!」

 アンジェレネの手元にあった硬貨袋が翼を生やして空を飛び交い、迫る車輪を次々に粉砕していく。
 その間にルチアは恭介を担ぎ上げ、皆と合流を果たした。

杏子「へぇー、やるじゃん」

アンジェレネ「あ、どうも……じゃなくて! そ、その方のソウルジェムはどこですか!?」

杏子「いや、それがさ」

ルチア「話は後です! ひとまず脱出を!」

 そう言われても……と杏子は魔女を見た。離れていてもよく分かる。あの魔女は、こちらをどうにかしたくてたまらないようだ。
 全身から漏れる気迫に圧されて、アンジェレネが後じさる。
 十字架に縛られた魔女が、剣を持つ右手首に力を込めた、その時。



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