過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/08/27(土) 04:11:56.30 ID:MvUQlNx5o

 その頃、ローマ正教の本拠地であるバチカン、無事に修復を果たした聖ピエトロ大聖堂では。

ペテロ「……絶景だな」

 ペテロの目の前に居並ぶ3333人の信徒。それらが一斉に右手を胸の前に持ってきて、十字を切った。
 信徒が口を開き、祈りながら聖歌を歌う。淡い光が聖堂を満たし、空気が暖かみを持ち始める。
 グレゴリオの聖歌隊と言えば強力無比な砲撃というのが魔術サイドでの一般的な見解だが、実態はそうではない。
 あくまで祈り、歌い上げることで想いを強くさせ、魔術を増幅させるものだ。
 その基本は祈り。汝、隣人を愛せよ。という『神の子』の教えに基づく、他者に対する愛から来るものでもある。

リドヴィア「無礼を承知の上で申し上げます、ローマ教皇」

 傍らに跪いたリドヴィアが声をひそめて言った。

リドヴィア「この状況下であまり権力を誇示する発言はどうかと思われますので」

ペテロ「そうではない。私はただ異国の、それも異教徒の少女を救うためにこれだけの信徒が集まったことに感動したのだ」

 それを聞いたリドヴィアは満足気に頷くと、信徒達の輪に加わった。これで3334人である。
 いや、3335人か。とある術式を構築しながらペテロは信徒達の輪の中心に歩み寄った。
 そして信徒達と同じように胸の前まで右手を持ってきては十字を切り、祈り、口ずさむ。

ペテロ(イギリス清教の頂点、最大主教。全て貴様の思惑通りなのか? 前教皇ならばどうしただろうか?)

 ふとそんな不安が頭をもたげる。彼は前教皇であるマタイ=リースと違ってローラを完全に信用していなかった。
 このグレゴリオの聖歌隊による支援だって、リドヴィアからの申し出でなければ拒否していたところだ。
 もっとも、既に魔術サイドの勢力バランスなど崩れて、実質的にイギリス清教が全てを握っているようなもの。
 そのイギリス清教ですらローラに頼らねばどうにもならない状況なのだ。いまさら利害がどうのと気にするだけ無駄だろう。

 それに、と彼は微笑んだ。マタイならば、自分と同じ考えを持ってくれるはずだ。

ペテロ(ならば私は、私に出来ることをしよう)

 そしてペテロは、魔術を行使した。
 3335人の祈りを受けて、瞬く間に魔術の威力が増幅される。
 大聖堂から光の柱が伸びる。それは雲を突き破ると、上空に留まってさらに輝きを増していった。



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